4月2日 胆管がん問題 大阪労働局が印刷会社の家宅捜索始める
2013年4月2日
産経新聞2013年4月2日(火)10:27 胆管がん問題 大阪労働局が印刷会社の家宅捜索始める http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/medical/snk20130402511.html
印刷会社の元従業員らが相次いで胆管がんを発症した問題で、厚生労働省大阪労働局は2日午前、従業員の健康被害の防止措置を怠ったとして、労働安全衛生法違反の容疑で、発端となった大阪市中央区の校正印刷会社「サンヨー・シーワィピー」本社の家宅捜索を始めた。裏付けができ次第、同社と社長(66)を書類送検する方針。
胆管がんを発症した元従業員ら16人はいずれも男性で、有機溶剤を含む洗浄剤を使い、印刷機械などに付いたインキを落とす作業に従事していた。
厚労省は昨年7月、同社地下作業場で原因と疑われた化学物質「ジクロロメタン」「1、2ジクロロプロパン」を含む洗浄剤を使って再現実験を実施。汚染された空気の56%が還流し、ジクロロプロパンの濃度が許容範囲の最高21倍に達し、劣悪な環境だったことが判明した。
厚生労働省の検討会は今年3月14日に公表した報告書で、洗浄剤に含まれる化学物質「1、2ジクロロプロパン」に長時間、高濃度でさらされたことが発症原因となった蓋然性が極めて高いと結論づけた。同社従業員の胆管がんによる死亡率は、日本人平均の約1200倍に上った。
これを受け、同監督署は3月27日、全国で初めて16人の労災を認定。2月に労災申請した元従業員1人も近く認定される見通し。