環境省:平成26年度公共用水域及び地下水における放射性物質モニタリングの測定結果(速報値)について(北海道ブロック)(お知らせ)

2014年10月24日

http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=18744

平成26年10月24日

平成26年度公共用水域及び地下水における放射性物質モニタリングの測定結果(速報値)について(北海道ブロック)(お知らせ)

 環境省では、水質汚濁防止法の改正(平成25年12月施行)を踏まえ、平成26年度から公共用水域及び地下水における放射性物質の常時監視を実施しています。
今般、平成26年度北海道ブロックの公共用水域及び地下水における放射性物質モニタリングの測定結果(速報値)を取りまとめましたのでお知らせします。
なお、今回のお知らせは速報値であり、平成27年3月に確定値として取りまとめ、改めてお知らせする予定です。

1.経緯
東京電力福島第一原子力発電所事故により放出された放射性物質による環境の汚染が発生したことを契機に、水質汚濁防止法[1]が改正されたことを受けて、環境省では、平成26年度から全国の公共用水域及び地下水それぞれ110地点において、放射性物質の常時監視を実施しています(年1回測定)。
今般、北海道ブロックの測定結果(速報値)を取りまとめましたので、お知らせします。他ブロックの測定結果も、順次お知らせします。
なお、今回のお知らせは速報値であり、他ブロックの測定結果等と併せて評価した上で、平成27年3月に確定値として取りまとめ、改めてお知らせする予定です。
また、モニタリングの全体概要(実施方針、測定地点等)及び調査結果については、以下の環境省ホームページに掲載しています。
http://www.env.go.jp/air/rmcm/index.html

2.公共用水域の調査結果

(1) 調査期間:平成26年8月25日~9月2日

(2) 調査地点数:9点[2](河川)(別添1参照)

(3) 調査項目:水質及び底質の放射性物質濃度(全β及びγ線核種)
※この他、参考情報として、水質及び底質採取地点近傍の周辺環境(河川敷等)の土壌の放射性物質濃度(全β及びγ線核種)及び空間線量率も併せて測定。
※「γ線核種」は、γ線を放出する核種であり、本調査ではCs-134等の65核種を主な対象としています。

(4) 結果概要
調査結果の概要は以下のとおりです。調査結果の詳細は別紙1、今回検出された放射性核種等についての過去の測定値は別添3をご参照ください。

1)水質

a) 全β:不検出~0.041 Bq/L
・ 過去の測定値の傾向の範囲内[3]でした。

b) γ線核種
・ 一部の地点(9地点中5地点)で、検出下限値を超える自然放射性核種が確認されました。このうち、K-40については、過去の測定値の傾向の範囲内でした。Bi-212及びPb-214については、過去に全国的な規模で調査事例がない核種ですが、いずれもトリウム系列又はウラン系列の自然放射性核種で、通常天然の土壌岩石などに含まれるものです。
・ 核種ごとの測定結果は以下のとおりです。なお、以下に記載のないγ線核種は、全地点で不検出でした。

検出されたγ線核種 検出値の範囲(Bq/L)
自然放射性核種 K-40 不検出~0.084
Bi-212 不検出~0.022
Pb-214 不検出~0.0039

2)底質

a) 全β:240~1,000 Bq/kg-dry
・ 過去の測定値の傾向の範囲内でした。

b) γ線核種
・ 全9地点で、検出下限値を超える自然放射性核種が検出されました。このうち、Be-7、Bi-214、K-40及びRa-226については、過去の測定値の傾向の範囲内でした。Ac-228、Bi-212、Pb-212、Pb-214及びTl-208については、過去に全国的な規模で調査事例がない又は調査事例はあっても検出
されたことのない核種ですが、いずれもトリウム系列又はウラン系列の自然放射性核種で、通常天然の土壌岩石などに含まれるものです。
・ 一部の地点(9地点中3地点)で、検出下限値を超える人工放射性核種Cs-137が確認されましたが、過去の測定値の傾向の範囲内でした。
・ 核種ごとの測定結果は以下のとおりです。なお、以下に記載のないγ線核種は、全地点で不検出でした。

検出されたγ線核種 検出値の範囲(Bq/kg-dry)
自然放射性核種 Ac-228 不検出~31
Be-7 不検出~32
Bi-212 不検出~54
Bi-214 4.8~21
K-40 160~650
Pb-212 6.5~32
Pb-214 5.1~26
Ra-226 不検出~60
Tl-208 4.8~28
人工放射性核種 Cs-137 不検出~4.8

3.地下水の調査結果

(1) 調査期間:平成26年8月25日~8月27日

(2) 調査地点数:2点(別添2参照)

(3) 調査項目:水質の放射性物質濃度(全β及びγ線核種)
※この他、参考情報として、採水地点近傍の空間線量率も併せて測定。

(4) 結果概要
調査結果の概要は以下のとおりです。調査結果の詳細は別紙2、今回検出された放射性核種等についての過去の測定値は別添3をご参照ください。

a) 全β:0.065~0.066Bq/L
・ 過去の測定値の傾向の範囲内でした。

b) γ線核種
・ 全2地点で、検出下限値を超える自然放射性核種K-40が確認されましたが、過去の測定値の傾向の範囲内でした。
・ 測定結果は以下のとおりです。なお、以下に記載のないγ線核種は、全地点で不検出でした。

検出されたγ線核種 検出値の範囲(Bq/L)
自然放射性核種 K-40 0.11~0.12

4.その他
・ 過去の測定値の傾向から外れる値が検出された場合は、詳細な追加調査を実施することとしていますが、今回の北海道ブロックの調査結果では、過去の測定値の傾向を外れる値が検出されなかったことから、詳細な追加調査は実施しない予定です。
・ 水環境における放射性物質の存在状況を把握するため、次年度以降も継続して本モニタリングを実施します。


[1] 水質汚濁防止法(環境大臣が実施する放射性物質の常時監視部分のみ抜粋)
第15条
3 環境大臣は、環境省令で定めるところにより、放射性物質(環境省令で定めるものに限る。第17条第2項において同じ。)による公共用水域及び地下水の水質の汚濁の状況を常時監視しなければならない。
第17条
2 環境大臣は、環境省令で定めるところにより、放射性物質による公共用水域及び地下水の水質の汚濁の状況を公表しなければならない。

[2] No.2の札幌市上水白川浄水場取水口(石狩川)については、採取時に本川の流れが速かったため、当初予定していた地点で試料採取ができず、近傍の白川浄水場内の沈砂池等にて試料を採取したものであり、再度、サンプリング・分析を実施予定。詳細な追加調査の実施については、再分析の結果を踏まえて判断。

[3] 本モニタリングは開始当初であることから同一地点における過去のデータの蓄積はないが、過去の測定値の傾向との比較に当たっては、当面はこれまでに実施された類似の環境モニタリングの結果を活用する。なお、「過去の測定値の傾向の範囲内」とは、今回の測定結果が、過去の類似のモニタリング(原子力規制委員会が実施する環境放射能水準調査及び周辺環境モニタリング、環境省が実施する福島県及び周辺県での放射性物質モニタリング等)
と比較し、極端に外れた値ではないことを専門的評価を受けて確認したもの。

添付資料

連絡先

環境省水・大気環境局水環境課
代   表:03-3581-3351
直   通:03-5521-8316
課   長:大村 卓  (内線6610)
課長補佐:長澤 沙織(内線6614)

環境省水・大気環境局土壌環境課
地下水・地盤環境室
直   通:03-5521-8309
室   長:眞先 正人(内線6510)
室長補佐:袖野 玲子(内線6604)
担   当:佐藤 孝行(内線6609)