3月12日:減ってゆくガソリンスタンド
2016年3月12日
朝日新聞2016年3月12日03時30分
(be report)減ってゆくガソリンスタンドhttp://www.asahi.com/articles/DA3S12250528.html
ガソリンスタンド(GS)が減り続けている。地方にはGSのない自治体もあり、高速道路では100キロ以上給油できない区間も珍しくない。ガソリン需要が減る一方、激しい競争などで撤退するGSが後を絶たないためだ。灯油なども売るGSは、暮らしを支える重要なライフラインでもある。GSの減少に歯止めはかけられないのか。
資源エネルギー庁などの調べによると、国内のGSは、1995年の約6万カ所をピークに減り続け、2014年度末には約3万4千カ所と、ほぼ半減した。事業者数は、この10年で3割以上も減っている。
これは、車の燃費性能の向上やハイブリッド車の拡大などでガソリンの販売量が減ったことが大きい。ここ10年で、ガソリンの国内販売量は約13%も減った。需要減による競争激化は収益を圧迫、老朽化した地下タンクなどの設備の更新コストがまかなえず、やむを得ず撤退するGSも多い。
少しでも経営コストを引き下げようと、規制緩和により1998年から認められたセルフサービス方式を採用するGSが増加。2014年現在で、セルフ式のGSは全体の3割近くを占めるようになった。
(中略)
GS減少の影響は、公共交通機関が貧弱でマイカー依存度が高い地方において、より深刻だ。資源エネルギー庁では、GSが3カ所以下の自治体をGSの過疎地としているが、その数は、昨年度末現在で283市町村と、前年度より18市町村増えた。内訳を見ると、GSがひとつもない自治体は8府県に計10町村。ひとつだけの自治体は21都道府県に66町村もあった。
しかし、自治体単位の調査だけでは、近年の市町村合併で広域化した市部などでの過疎の実態は捕捉しきれない。このため資源エネルギー庁では、一定の道路距離の範囲にGSがない集落などをあぶり出すため、GS立地情報を把握するためのシステムを構築し、昨年から活用を始めた。同庁石油流通課の山岡寛課長補佐は「GSの過疎状況を地域の問題として認識できている自治体は多くないので、情報提供して取り組みを促したい」と話す。
(後略)