2月20日 PRTR市民セミナーin盛岡

2011年2月20日 開催

開催報告

PRTR地域セミナーin岩手  

日時 2011年2月20日(日)13:30~16:30

場所 岩手県盛岡市岩手大学図書館会議室

 

主催

NPO法人有害化学物質削減ネットワーク(Tウォッチ)

 

参加・協力組織

行政 岩手県環境生活部環境保全課

企業 岩手東芝エレクトロニクス(株)

市民 NPO法人環境パートナーシップ岩手、岩手県環境保全連絡協議会、

INS/CSR/環境人材育成研究会、いわてCS(化学物質過敏症)の会

 

報告

2 月20 日、盛岡市の岩手大学で、T ウオッチのPRTR 市民セミナーin 岩手が開催されました。主催Tウオッチ、地元団体としてNPO 法人環境パートナーシップいわて、岩手県環境保全連絡協議会、INS/CSR/環境人財育成研究会の後援をうけています。

 


■行政の取り組み


岩手県環境生活部環境保全課 環境担当阿部規子さん


岩手県の排出量は全国の1.1%、移動量は0.6%を占め、大気への排出が多い。事業所は内陸部の金ケ崎町、北上市などが多い。排出移動量の1 位に塩化メチレンがきている。県として「環境コミュニケーション」を推進している。事業者団体である県環境保全連絡協議会が、研修会、見学会などを実施している。「地域と始める環境報告会」を平成22年度は18 企業・1 団体で開催した。参加者は住民で、事業・環境活動説明、見学、意見交換、参加数は30人規模。「環境コミュニケーション事業」として他にファシリテーター養成、セミナー開催などを行っている。


 


■企業の取り組み


岩手東芝エレクトロニクス(株) 生産企画部工務・環境担当熊谷命さん


北上市にあり東芝のセミコンダクター社の一つ。クリーンルームで半導体を製造していて、大量の電力、水を使用する。東芝「環境管理」の化学物質管理は、適正管理と排出量削減を柱としている。環境対策として、製品小型化により原材料を大幅削減した。化学物質管理は事前評価から始まる。現像にVOC、ウェットエッチング*にフッ化水素、冷媒としてCFC-11、冷却にエチレングリコール、汚れ落としに2-アミノエタノールなどを工程として使用している。CFC-11 は代替フロンにかえて全廃した。他は廃棄物としてリサイクル利用。今はPRTR 物質よりVOC 対策の方が重点課題で、今後燃焼除害で削減する。コミュニケーション活動としては、環境報告書、県の研修会参加、環境保全連絡協議会参加、環境報告書を読む会、「地域と始める環境報告会」を実施している。


 


■市民の取り組み


いわてCS(化学物質過敏症)の会 副代表永田文夫さん


CS 患者は少数だが、アレルギー体質を持つ子どもは90%にもなって、これも化学物質が氾濫しているせいではないか。いわてCS の会は、患者と支援者で活動している。人によって症状が違うが、寝たきりの人もいるし、社会生活も送れない。外見からは分からないので、理解されないことが一番の苦痛となっている。胆沢第一小のシックスクール問題も以前から申し入れなどしていても改善されず、昨年のような多数の発症となった。患者によっては、私たちもそばに寄れない人もいる。不安、人を信用できないというのも患者の症状の一つだ。昨年会として患者23 人のアンケート調査をした。被曝期間が短い方が症状が改善しやすい。有機リンの場合は改善しにくい。ぜひ患者へのご理解をお願いしたい。


 


最後にTウオッチ中地重晴代表よりPRTRデータをどう読むかの話のあと、参加者による質疑応答がありました。


 


 


■質疑応答(出された意見等)


・岩手は農薬も多く、被害にあっても声に出しにくい。化学物質に関する県の市民ネットワークをつくりたいが、どこからとりかかったらいいか。


・電磁波の問題も、CS と患者がダブっている。


・化学物質について市民にやさしく解説する人材の育成が必要だ。


・県には「化学物質週間」というような形で、学校や市民への啓発活


動をしてもらいたい。


今回は市民取り組み事例としてCS 問題を取り上げたので、活発な意見交換がありました。岩手は県や企業が率先して「コミュニケーション」に取り組んでいますが、市民の関心も高くないせいか、「リスクコミュニケーション」というほどの内容にはなっていないようです。化学物質問題へ関心が高い人にもPRTR制度はほとんど理解されていないというのが現実です。シックスクール、農薬問題、合成洗剤のようなある程度関心の高い部分と、PRTR 制度で把握できる部分とどう結び付けていくかが、やはり一番の課題として浮き彫りにされました。(Tウオッチ事務局)


 


*エッチング(etching)とは、化学薬品などの腐食作用を応用した塑形ないし表面加工の技法。使用する素材の必要部分にのみ防食処理を施し、腐食剤によって不要部分を除去することで目的形状のものを得る。半導体光学分野では、半導体ウェハー上に酸化膜等の薄膜を形成させた後、フォトレジスト(光等により物性が変化し物質表面を保護する物質)を塗布してパターンを露光した後にエッチングにより不要な薄膜を除去する。液体を使用するウェットエッチングとガスを使用するドライエッチングがある。(ウィキペディアより抜粋・一部修正)