8月24日:川崎の日鉄住金鋼管火災 製造所休止中でけが人なし

2015年8月24日

東京新聞2015年8月24日 夕刊
川崎の日鉄住金鋼管火災 製造所休止中でけが人なし
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015082402000204.html

 

二十四日午前十一時三十五分ごろ、川崎市川崎区浮島町の日鉄住金鋼管川崎製造所の従業員から「製造所から火が出た」と一一九番があった。市消防局などによると、製造所の建物を焼いたほか、周囲の建物の壁などを焦がし、午後一時現在、鎮火の連絡は入っていない。従業員らは避難し、けが人の情報はないという。隣の花王の工場にも延焼している。

市消防局によると、従業員は出火場所をクーリングタワー(冷却塔)としており、神奈川県警川崎臨港署と共に出火原因を調べる。

日鉄住金鋼管のホームページによると、川崎製造所は敷地面積が二万八百平方メートルで、建屋面積が一万二千平方メートル。製造所ではことし六月まで鋼管製品を生産していたが現在は休止し、建物の解体作業をしていた。

現場は、工場や倉庫が集積している地域。羽田空港から多摩川を挟んで約一キロの所にある。出火直後に黒煙が立ち上ったが空港の離着陸に影響はないという。

日鉄住金鋼管は新日鉄住金(東京)の完全子会社。新日鉄住金名古屋製鉄所(愛知県東海市)では昨年一~七月に四回の黒煙排出事故が起きた。九月三日には貯蔵中の石炭が火元とみられる爆発事故が発生。従業員十五人が重軽傷を負い、愛知県警が業務上過失傷害の疑いで捜査している。

羽田空港黒煙に騒然

激しい炎と黒煙が突然、工場地帯から立ち上った。日鉄住金鋼管川崎製造所からは焦げたようなにおいと煙が広く立ち込め、周辺は騒然となった。

約一キロ離れた多摩川の対岸にある羽田空港国際線ターミナル防災センターの職員も、黒い煙が立ち上るのが窓から見えたという。この職員は「外に出ると、ボンボンと爆発するような音が聞こえた」と出火直後の様子を語った。

現場から約五キロ先の土手をサイクリングしていた川崎市多摩区の男性(73)によると、二十分ほどで煙は収まったという。午後一時ごろには川沿いの倉庫のような建物から出ていた煙は白っぽくなり建物の壁面は黒く焦げたようになっていたという。