2月5日:市元幹部、賄賂受け危険施設に営業許可 天津・爆発事故

2016年2月5日

朝日新聞2016252327
市元幹部、賄賂受け危険施設に営業許可 天津・爆発事故http://www.asahi.com/articles/ASJ2577DLJ25UHBI03K.html

  中国天津市で昨年8月、危険化学物質の保管施設が大爆発して160人超が死亡した事故で、国務院の事故調査チームは5日、当時の市幹部が施設の運営会社側から金銭を受け取る見返りに営業許可を与えるなどの便宜を図ったなどとする調査報告書を発表した。

 

 報告書によると、運営会社は施設の設計上の保管量を40倍以上も上回るシアン化ナトリウム680トンを保管するなど違法経営を続けていた。同社幹部が当時の市幹部に現金や商品券を贈ったり、ゴルフや飲食の接待をしたりして営業に関する許可を得ていたとした。

 

 報告書は施設への監督を怠ったなどとして、副市長2人を含む123人を免職や降格などの処分にするよう求めたが、黄興国市長(市党委代理書記)は含まれなかった。被害総額は約68億元(約1200億円)に上るとし、事故で漏れた化学物質が健康に及ぼすリスクは「極めて低い」と結論づけた。

 

 報告書は爆発の原因について、施設内の可燃性の強い物質が気温の上昇で自然発火し、周辺の危険化学物質に引火したためとした。(瀋陽=平賀拓哉)