環境省:平成26年度被災地における海洋環境モニタリング調査結果の公表について(お知らせ)

2016年2月15日

http://www.env.go.jp/press/101662.html

平成28年2月15日

水・土壌

 

平成26年度被災地における海洋環境モニタリング調査結果の公表について(お知らせ)

 環境省は、東日本大震災を受け、平成23年度から毎年度、被災地における海洋環境モニタリング調査を実施しています。本調査は、東日本大震災に伴い流出した有害物質及び廃棄物並びに福島第一原子力発電所から漏出した放射性物質に起因して海洋環境中で汚染が生じる可能性のある項目について、その現状及び経年変化を把握することを目的としています。
今般、東日本大震災に係る海洋環境モニタリング調査検討会での検討結果を踏まえ、平成26年度の調査結果について以下のとおり取りまとめましたので公表します。

1.第1次調査結果について(別紙1別紙2参照)

被災地の海洋環境中における化学物質等の経年変化の把握を目的として、青森県、岩手県、宮城県及び福島県の6測線(各々3測点)における水質及び底質を調査しました。

(調査日:平成26年10月30日から11月11日)

①化学物質調査では、環境基準が設定されている項目(生活環境項目、健康項目、ポリ塩化ビフェニル(水質)及びダイオキシン類)は、いずれの測点においても水質調査及び底質調査ともに環境基準値と比較して問題となる値はありませんでした。海水中及び堆積物中の多環芳香族炭化水素、臭素系難燃剤、及び有機フッ素化合物については、いずれの測点においても平成23年度から平成25年度までの調査結果(以下「過年度の調査結果」という。)の範囲内または同程度でした。

②放射性物質調査では、水質調査の検出量は、セシウム134では検出下限値未満~0.0029Bq/Lの範囲、セシウム137では0.0012~0.011 Bq/Lの範囲でした。底質調査の検出量には、セシウム134では検出下限値未満~60 Bq/kg(dry)の範囲、セシウム137では0.21~200 Bq/kg(dry)の範囲でした。また、底質調査のストロンチウム90については、検出下限値未満~0.16 Bq/kg(dry)の範囲でした。

 

2.第2次調査結果について(別紙3別紙4参照)

被災地の海洋環境、特に堆積物中の多環芳香族炭化水素及び放射性物質の水平分布状況の把握を目的として、岩手県及び宮城県の20測点における底質を調査しました。

(調査日:平成26年11月15日から11月19日)

①化学物質調査では、平成23年度第3次調査以降、高濃度で検出されてきた多環芳香族炭化水素について、その水平分布の状況及び経年変化の把握を目的として調査しました。今回の調査の結果、平成24年度に高い値が検出された一部測点での数値が低く、その他いずれの測点でも多環芳香族炭化水素全体としての検出値は過年度の調査結果の範囲内又は同程度でした。

②放射性物質調査では、底質調査におけるセシウム134は検出下限値未満~93 Bq/kg(dry)の範囲、セシウム137では1.1~290 Bq/kg(dry)の範囲でした。また、ストロンチウム90の濃度は検出下限値未満~0.22 Bq/kg(dry)でした。

 

3.まとめ

第1次調査の対象6測線における海水及び底質は環境基準値と比較してすべて問題となる値はなく、またそれらに含まれる化学物質も過年度の調査結果の範囲内又は同程度でした。

第2次調査の対象20測点における多環芳香族炭化水素の水平分布状況は、一部測点を除いて、いずれの測点においても過年度の調査結果の範囲内又は同程度でした。

環境省としては、今後も継続してモニタリングを実施し、海洋環境の状況を把握することとしております。

添付資料

連絡先
環境省水・大気環境局水環境課海洋環境室
室  長:坂本 幸彦(内線6630)
室長補佐:森田 紗世(内線6631)
担  当:北田 貴久(内線6636)