2月22日 PM2.5汚染対策 日中が初の協議日本、技術協力申し出

2013年2月23日

朝日新聞201年2月23日 PM2.5汚染対策 日中が初の協議日本、技術協力申し出

中国の大気汚染をめぐる日中両政府の会合が22日、北京で開かれた。中国で微小粒子状物質「PM2.5」の汚染が深刻になった1月以降初の協議で、日本側は越境汚染の懸念を伝えた。また、大気のモニター方法や汚染発生源の特定などの技術協力を申し出た。

日本の環境、外務、経済産業各省の課長級と中国環境保護省の課長らが約2時間にわたって協議した。出席者によると、日本側が「中国の大気汚染が、日本の環境にも与えかねない問題として高い関心を持っている」と表明。日本が過去の公害対策を経て得た環境技術を、中国の汚染対策に生かすことが両国の共通利益になることと伝えた。

PM2・5の排出源は非常に多様とされ、「原因物質を特定しないと排出源をたたくことができない」(日本政府関係者)。電子顕微鏡などを使った汚染物質の特定技術や、汚染が起こるシミュレーションの技術が、PM2・5対策にも役立つと訴えた。大気汚染を低減する環境技術を持つ日本企業が加われば、新たな商機が生まれるとの狙いもあるとみられる。

中国側は「日本を含む先進国の経験に学びたい」と応じ、政府の対策やPM2・5のモニタリング体制について説明。両国で協議を続けることで一致したとい。う。大気汚染をめぐる日中協力は20年以上前から続いているが、尖閣諸島をめぐる問題が今後の協議にどう影響を及ぼすかは不透明だ。(北京=奥寺淳)