12月25日:ミツバチ大量死?の農薬残留基準緩和へ 厚労省部会

2014年12月25日

朝日新聞20141225
ミツバチ大量死?の農薬残留基準緩和へ 厚労省部会、人への影響否定

厚生労働省の部会は24日、ミツバチの大量死の原因と指摘されているネオニコチノイド系の農薬「クロチアニジン」について、食品中の残留基準を緩和する案を了承した。化学メーカーからの適用拡大の申請を受け、内閣府の食品安全委員会の評価を踏まえ設定した。ただ、欧州連合(EU)の基準値より緩く、環境保護団体が反発している。

 クロチアニジンは日本ではコメや大豆の害虫対策に使われている。今後、国民への意見募集などの手続きをへて、新基準が正式に決まれば、今まで使えなかったホウレンソウなど、より多くの農作物に使えるようになる。基準案は「人の健康に問題ない」としたもので、生態系への影響を考慮していない。環境団体グリーンピース・ジャパンは「今回の緩和によってミツバチの生態に大きな影響を与える」と懸念する。(田内康介)