11月16日:ブラジル・ミナス州鉱山ダム決壊 サマルコ社にR$2.5億の制裁金

2015年11月16日

サンパウロ新聞20151116
ミナス州鉱山ダム決壊 サマルコ社にR$2.5億の制裁金

大統領が現地視察し会見 急がれるドセ川汚染対策

 ミナス・ジェライス州マリアーナ市のジェルマノ鉱山鉱滓ダム決壊事故から1週間が過ぎた12日、ジルマ・ロウセフ大統領が被害を受けた地域を視察した。大統領は、家屋の大半が破壊され、泥に埋まった同市ベント・ロドリゲス地区、ドセ川への泥水流入で取水が停止されている同州ゴベルナドール・バラダレス市を上空から視察。ゴ・バラダレス市で行なった記者会見で、同鉱山を運営するサマルコ社に対しブラジル環境・再生可能天然資源院(Ibama)が課す制裁金は2億5000万レアル(約81億円)に上るだろうと述べた。この金額は暫定的なもので、将来新たな制裁金が課される可能性もある。国内各メディアが報じている。

 資源大手のヴァーレ社と英豪系BHPビリトン社が出資するサマルコ社。5日午後に起きた2カ所の鉱滓ダム決壊によって流出した不要鉱物の混ざった泥水は、ベント・ロドリゲスはじめ近隣地区に壊滅的な被害をもたらした。泥水はさらに州内ドセ川に流れ込んで隣州エスピリト・サントへ向かっており、流域諸都市の水供給に影響を及ぼしている。

 ジルマ大統領は制裁金について、環境への損害、河川流域を危険にさらしたこと、公共財産への損害、電力の中断などによるものと説明。Ibamaも、5000万レアルずつ5件の制裁金を課すことを確認している。大統領はさらに、泥水流入により影響を受けた各州もサマルコ社に補償を要求できると述べた。

 ドセ川の水を利用している都市の一つであるゴ・バラダレス市は、泥水で汚染された同川からの取水停止を余儀なくされている。バラダレス司法管轄区のルペルシオ・パウロ・フェルナンデス・デ・オリベイラ判事は、サマルコ社が、同市への72時間の水供給を保証するため、1日80万リットルの水を供給するよう決定している。もし供給できなかった場合は、1日100万レアルの制裁金が課される。

 この決定ではさらに、サマルコ社がドセ川の水質を監視するとともに、30日以内に水中の汚染物質の調査と損害回復のための計画書を提出する事も要求している。

 大統領は、ゴ・バラダレスの水問題解決、マリアーナ市における捜索・救助活動に優先的に取り組むべきとの認識を示すとともに、泥水の進行を防ぎ、汚染されたドセ川の水質を回復する必要性を強調。サマルコ社を含む関係機関の被害地域での継続的な活動のため民間防衛局から代表者を派遣する考えを示した。

 視察には教育相、環境相、国家統合相が同行。会見にはマリアーナ市のドゥアルテ・ジュニオル市長、ミナス州のフェルナンド・ピメンテル知事、エスピリト・サント州のパウロ・ハルトゥング知事のほか、州民間防衛局、軍・文民両警察と消防からなる対策本部の代表者も参加し、会見後は、やはりドセ川の汚染によって水供給に影響を受けつつあるコラチーナ市(ES)も訪れた。20151114日付