環境省:第9回日中韓における化学物質管理に関する政策ダイアローグの結果について(お知らせ)

2015年11月13日

http://www.env.go.jp/press/101660.html

平成27年11月13日

保健対策

 

第9回日中韓における化学物質管理に関する政策ダイアローグの結果について(お知らせ)

 11月9日(月)から11日(水)まで「第9回日中韓における化学物質管理に関する政策ダイアローグ」(以下「化学物質政策ダイアローグ」という。)が中国・南京で開催されました。
11月10日(火)に開催された日中韓の政府関係者による政府事務レベル会合では、大きく進展している3カ国の化学物質管理政策に関して情報・意見交換を行うとともに、化学物質管理に関する国際動向への対応、水銀に関する水俣条約の早期発効に向けた各国の国内対応の状況等について情報交換を行いました。また、来年我が国で開催される次回会合では、化学物質の審査・評価手法(生物試験の代替手法(QSAR等)、内分泌かく乱作用の評価手法を含む。)、化学物質排出移動量届出制度(PRTR)等についての情報交換を新たに開始するとともに、化学物質管理分野における3カ国の共同行動計画の採択を目指すことに合意しました。
これに先立ち、11月9日(月)に開催された専門家会合では、生態毒性試験の実施手法の国際調和に向けて、日中韓の共同研究として各国で実施した魚類急性毒性試験の結果が報告され、今後、共同研究のスコープを拡大して継続することが合意されました。また、既存化学物質のリスク評価における技術的手法についての情報交換を行いました。
また、11月11日(水)には、日中韓の化学物質管理政策に関する公開セミナーが開催され、約100名の参加がありました。
次回の化学物質政策ダイアローグは来年10月又は11月に我が国で開催予定です。

1.これまでの経緯

平成18年12月に開催された第8回日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM8)において「化学物質管理に関する政策や規制に関する情報交換の推進」について合意されたことを受け、平成19年より化学物質政策ダイアローグを開始しました。これまでに3カ国の持ち回りで8回開催しています(平成19年(日本・東京)、平成20年(韓国・ソウル)、平成21年(中国・北京)、平成22年(日本・東京)、平成23年(韓国・済州島)、平成24年(中国・杭州)、平成25年(日本・京都)、平成26年(韓国・済州島))。

今年は、各国の化学物質管理政策の最新動向、化学物質管理に関する国際動向への対応、水銀に関する水俣条約(以下「水俣条約」という)の早期発効に向けた各国の国内対応の状況等のトピックを中心とした情報・意見交換を行うことにより、日本、中国及び韓国の更なる具体的な連携・取組を進めるため、11月9日(月)から11日(水)まで、第9回化学物質政策ダイアローグを中国・南京で開催しました。

 

2.概要

日程 :平成27年11月9日(月)~平成27年11月11日(水)

場所 :中国・南京 鐘山ホテル

参加者:

日本:環境省化学物質審査室 福島健彦室長、環境安全課 斉藤貢課長補佐

国立環境研究所 菅谷芳雄博士  ほか

中国:環境保護部汚染防治司 李蕾 副司長(局次長・審議官級)、杜科雄 化学品環境管理処長(課長級)ほか

韓国:環境省化学物質政策課 金鐘咬 課長補佐ほか

 

3.化学物質政策ダイアローグの結果

1)日中韓の化学物質管理に関する専門家会合(非公開)

日時 :11月9日(月) 8:30~17:00

出席者:34名(日中韓の政府関係者及び専門家等)

内容 :

今年度から開始した、同一魚種を用いての同一の化学物質による魚類急性毒性試験の3カ国比較の共同研究について、その結果が各国より報告されました。今後は共同研究のスコープを魚類急性毒性試験から慢性毒性試験等に拡大し、引き続き共同研究を進めることに合意しました。

また、3カ国の専門家から既存化学物質のリスク評価における技術的手法についての概要が紹介され、さらにその具体的な方法等について情報交換を進めることが合意されました。

 

2)第8回日中韓政府事務レベル会合(非公開)

日時 :11月10日(火) 8:30~17:30

出席者:35名(日中韓の政府関係者及び専門家等)

内容:

日中韓における化学物質管理政策が大きく進展していることを踏まえ、3カ国の政府関係者により、①各国の化学物質管理政策の最新動向と今後の方向性、②国際的な化学物質管理の動向(国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ:SAICM)への各国の対応状況、③水俣条約の締結と実施に向けた各国の法整備の状況等について、活発な情報・意見交換を行いました。

また、我が国で来年開催される次回の化学物質政策ダイアローグに向けて、

● 次回から新たに、化学物質の審査・評価手法についての情報交換を本格化すること(新規化学物質の審査、既存化学物質のリスク評価、生物試験の代替手法(QSAR等)の活用、内分泌かく乱作用の評価等)、

● 次回から新たに、化学物質排出移動量届出制度(PRTR)についての情報交換を開始すること、

● 今後、化学物質管理分野における3カ国の共同行動計画の採択に向けて作業を開始し、次回会合での採択を目指すこと、

等について合意しました。

※QSAR:Quantitative Structure-Activity Relationship、定量的構造活性相関。化学物質の構造等から毒性を予測するコンピュータシミュレーション手法

 

3)日中韓の化学物質管理政策に関するセミナー(公開)

日時 :11月11日(水) 8:30~11:30

出席者:約100名(日中韓の政府関係者、一般参加者)

内容:

化学物質に関係する中国企業や在中の海外企業等からの一般参加者を対象に、日中韓の化学物質管理政策の説明が行われました。①韓国からは、化学物質の登録及び評価に関する法律の最新動向、②日本からは、化学物質審査規制法及びPRTR制度に関する最新動向、水俣条約の締結に向けた国内の法整備の状況等、③中国からは、新規化学物質及び既存化学物質の評価及び管理に関する最新動向、水俣条約等の化学物質関係の国際条約への国内の対応状況等について説明が行われました。これらの発表について参加者からの質疑を受け、活発な情報・意見交換がなされました。

 

4.次回開催予定

次回の化学物質政策ダイアローグは、来年10月又は11月に日本で開催される予定です。

連絡先
環境省総合環境政策局環境保健部企画課化学物質審査室
直通:03-5521-8253
代表:03-3581-3351
室  長 福島 健彦(内線6309)
室長補佐 髙橋 亮介(内線6324)
室長補佐 笹原 圭 (内線7329)
担  当 彦坂 早紀(内線6328)環境省総合環境政策局環境保健部環境安全課
直通:03-5521-8260
代表:03-3581-3351
課  長 立川 裕隆(内線6350)
課長補佐 斉藤 貢 (内線6368)