中国の農地の2.5%が汚染で耕作不適

2014年1月2日

ウォール・ストリート・ジャーナル20141116:56
汚染で農地の2.5%が耕作不適中国・国土資源省
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304824704579293682947440874.html

【上海】中国政府が発表した統計によると、中国の農地が都市化と工業化による汚染などの影響で大きな打撃を受け続けている。土壌汚染は中国が抱える環境問題の中でも最も解明が遅れている問題の1つで、報告書は新たな手がかりとなっている。

国土資源省が先月30日に発表した統計によると、耕作地面積の2.5%が重金属などの汚染物質による汚染で耕作に不適となっている可能性があるという。一方、耕作地面積は2009年までの3年間で0.25%減少した。

中国が土壌の状態について報告書を発表するのは1996年以来。国土資源省は現在の傾向について懸念を示し、今後も「厳しい」状況が続いていると述べた。報告書によると、中国の耕作可能面積は近年減少傾向にあり、1人当たりでは世界の平均の半分以下だという。

国土資源省の王世元次官は30日の記者会見で、中国共産党中央政治局が土壌調査の結果について報告を受けたあとで、根本的なリスクは残っていると判断したと述べた。王次官によると、党中央政治局は耕作可能地の安定化を図るために、「国土を保護・改善するために厳格な措置をとらなければならない」と決めたという。

報告書からは中国の土壌をめぐるさまざまな疑問に対する答えは得られなかった。王次官はこの報告書が2006年から2009年までの調査に基づくと述べた。国土資源省は6月、土壌調査を実施すると約束していたが、30日に公表された報告書や統計で約束を実行したことになるのかもはっきりしていない。

国土資源省の担当者からはコメントは得られなかった。

広東省生態環境・土壌研究所 の土壌修復の専門家、Chen Nengchang氏はこれまで秘密にされてきた情報が開示されたことは「大きな一歩」だと述べた。しかし、どのくらいの土地が軽度の汚染のリスクにさらされているのかはあまり分からないという。公表された情報からは個別の地域の問題も把握できない。