11月6日:温泉施設の実態調査=硫化水素事故防止で―環境省
2016年11月6日
時事通信2016年11月6日8;38配信
温泉施設の実態調査=硫化水素事故防止で―環境省
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161106-00000012-jij-pol
環境省は5日、温泉での硫化水素による中毒事故防止に向け、旅館など温泉施設の実態調査に乗り出した。
浴室内の濃度測定の実施状況や、利用許可申請があった際に配慮している点などを尋ねるアンケートを自治体に発送しており、温泉地保護利用推進室は「濃度が高い施設は定期的に検査するなど、安全対策を徹底してほしい」と話している。
環境省は温泉施設の構造に関する基準で、浴室内の硫化水素濃度の上限値や浴室の構造を示しているが、運用は自治体に委ねられている。一方、浴室内で硫化水素中毒とみられる事故も発生。北海道足寄町の温泉施設で2014年10月、入浴中の男性が倒れ、意識不明の重体に陥った。
同省がこの施設を調べたところ、硫化水素の濃度が入浴時に顔の高さになる湯面から10センチ上方で、国の基準(20ppm)の10倍に当たる200ppmを計測。基準では温泉の注入口を浴槽の湯面よりも上に設けると定められていたが、この施設では浴槽の底にあった。
そのため今年10月27日付で、都道府県や保健所設置市などに対してアンケートを発送。アンケートでは「硫化水素の濃度が基準の上限値を超えていたり濃度を測定していなかったりする浴槽数」「許可申請の際に濃度が分かる資料や施設構造の図面を添付するよう施設側に義務付けているか」などを尋ね、運用状況を把握する。