環境省:「家庭からの二酸化炭素排出量の推計に係る実態調査 全国試験調査」の結果(速報値)について
2016年3月24日
http://www.env.go.jp/press/102283.html
平成28年3月24日
「家庭からの二酸化炭素排出量の推計に係る実態調査 全国試験調査」の結果(速報値)について(お知らせ)
この度、平成26年10月から27年9月まで、統計法に基づく一般統計調査として、全国10地方の約16,000世帯を対象とした全国試験調査を実施し、その結果(速報値)をとりまとめましたので、お知らせいたします。
1.調査の趣旨について
我が国のCO2排出量は1990年度から大幅に増加している一方で、2030年度の削減目標では2013年度比で総排出量を26%削減することとしており、特に家庭部門は約4割削減する見通しを立てていることから、効果的な削減対策の実施が喫緊の課題となっています。
環境省では、家庭からのCO2排出実態やエネルギー消費実態等を詳細かつ継続的に把握し、削減対策の検討等に幅広く活用すること等を目的として、政府統計の整備に向けた検討を進めており、平成24~25年度には統計法に基づく一般統計調査として、関東甲信地方及び北海道地方の約3,200世帯を対象とした試験調査を実施しました。
この度、試験調査等の結果を踏まえ、本格調査の実施に向けた課題の抽出や統計調査の設計等の最終的な検証を行うため、26年10月から27年9月まで、一般統計調査として全国10地方の約16,000世帯を対象とした全国試験調査を実施し、その結果(速報値)をとりまとめました。
2.全国試験調査の概要について
(1) 調査の名称:家庭からの二酸化炭素排出量の推計に係る実態調査 全国試験調査
(2) 調査方法:「住民基本台帳からの無作為抽出による調査員調査」と、「インターネットモニター調査」の2方法による調査
(3) 調査期間:平成26年10月~27年9月
(4) 調査対象:全国10地方の一般世帯
(5) 調査世帯数:16,402世帯(調査員調査8,802世帯、インターネットモニター調査7,600世帯)
(6) 集計世帯数:11,632世帯(調査員調査5,995世帯、インターネットモニター調査5,637世帯)
(7) 調査項目:属性事項(世帯属性、住宅属性、機器使用状況、車両使用状況、省エネルギー行動実施状況等)、エネルギー使用量等(電気・ガス・灯油・ガソリン・軽油。12か月間連続)
(8) 詳細資料:速報値の詳細等は、以下の環境省ホームページをご覧ください。
URL:http://www.env.go.jp/earth/ondanka/ghg/kateitokei.html
3.全国試験調査の主な結果(速報値)について(統合集計:参考値。図は添付資料参照)
政府統計としては初めて全国規模で家庭からのCO2排出実態等を把握しました。
- 電気・ガス・灯油の使用に伴うCO2排出量は世帯当たり年間約3.5トンで、電気からが約7割、ガスからが約2割、灯油からが約1割を占めていました(図1)。
- 自動車用燃料(ガソリン・軽油)の使用に伴うCO2排出量は、世帯当たり年間約1.3トンでした(図5)。
用途別のCO2排出量の内訳を推計しました。
- 電気・ガス・灯油の使用に伴うCO2排出量のうち、照明・家電製品等が約5割、給湯と暖房がそれぞれ約2割を占めていました(図2)。
住宅の建て方別や地方別等のCO2排出量を推計しました。
- 戸建住宅の世帯のCO2排出量は集合住宅の世帯に比べて約2倍であり、特に暖房による排出量は約3倍と大きな差がみられました(図3・4)。
- 全国10地方の中で、世帯当たりのCO2排出量が最も多いのは北陸地方、最も少ないのは関東甲信地方でした。気候・住宅の建て方・世帯類型の違いや使用電力量1kWh当たりのCO2排出量(CO2排出係数)の差等が影響していました(図6)。
- 世帯当たりのエネルギー消費量が最も多いのは北海道地方、最も少ないのは沖縄地方でした(図7)。
暮らし方の違いによる1人当たりCO2排出量の違いが分かりました。
- 世帯人数が多くなるほど1人当たりCO2排出量は少なくなり、例えば戸建住宅の4人世帯の1人当たりCO2排出量は、単身世帯の約半分でした(図10・11)。
- 単身世帯では、戸建住宅のCO2排出量は集合住宅の排出量より多く、約1.6~1.8倍であることが分かりました(図12・13)。
省エネ行動の実施率が高い世帯ほどCO2排出量が少なく、削減可能性が分かりました。
- 省エネ行動の実施率が「80%より大きく100%以下」の世帯は、全体の平均より約10~15%CO2排出量が少なく、削減可能性が分かりました(図17・18)。
4.今後の予定について
全国試験調査の最終的な結果や統計表(確報値)等は、環境省ホームページ、政府統計の総合窓口(e-Stat)等で、28年6月頃に公表する予定です。
また、全国試験調査の結果等を踏まえ、本格調査の最終的な設計等を行い、29年度から本格調査を実施する予定です。
添付資料
- 連絡先
- 環境省地球環境局総務課低炭素社会推進室
(代表:03-3581-3351)
(直通:03-5521-8244)
室 長 関谷 毅史(内線6740)
係 長 佐藤 滋芳(内線6768)
担 当 冨田 翼 (内線6741)