3月18日:石綿対策せず施工 大林組と慶応大に横浜市が指導 /神奈川

2016年3月18日

毎日新聞2016318日 地方版
石綿対策せず施工 大林組と慶応大に横浜市が指導 /神奈川http://mainichi.jp/articles/20160318/ddl/k14/040/254000c

 

 大林組(東京都)が昨年11月に施工した慶応大矢上キャンパス(横浜市港北区)の改修工事で、天井の一部にアスベスト(石綿)が含まれているのが見落とされ、飛散防止策が講じられていなかったことが17日、分かった。横浜市は16日、大林組と慶応大に対し、大気汚染防止法に基づき再発防止策の提出を求める行政指導をした。

 大林組によると、理工学部の研究棟にある実験室の天井の塗装とコンクリートの間にあった建材(重さ150キロ)に石綿が使用されていた。天井の工事は昨年11月に2日間にわたって行われ、3人の作業員が従事した。

 大気汚染防止法は、工事の前に石綿の使用の有無を調査し、使用があった場合は自治体へ届け出たうえで、飛散防止策を施すよう求めている。ところが現場担当者が「過去に除去されており、調査は不要」と判断して工事を開始。一般の粉じん飛散防止策しか講じられていなかった。

 情報提供を受けた市が4日に建材の石綿の含有率を調べたところ、8・5%と判明。国は0・1%を超える建材について「石綿がある」と認定しており、基準を上回るものだった。【水戸健一】