9月21日:厚労省、業界団体に別物質への対策も要請 化学工場膀胱がん

2016年9月21日

産経新聞2016921 22:46更新
厚労省、業界団体に別物質への対策も要請 化学工場膀胱がんhttp://www.sankei.com/life/news/160921/lif1609210041-n1.html

 

 三星化学工業(東京)の福井市にある工場で複数の従業員が膀胱(ぼうこう)がんを発症した問題に関連し、別の事業所で膀胱がんを発症した7人のうち5人が「MOCA(モカ)」と呼ばれる化学物質を取り扱っていたことが21日、厚生労働省の調べで分かった。厚労省は当初、モカとは別の化学物質「オルト-トルイジン」を扱う事業所を対象に調査していたが、同日、業界団体にモカの曝露(ばくろ)対策の徹底などを要請した。

 厚労省は所在地などを明らかにしていないが、関係者によると、事業所はイハラケミカル工業(東京)の静岡工場(静岡県富士市)。工場では昭和44年から平成21年までモカを製造しており、担当者は「製造当初の詳しい曝露対策は分からないが、調査には協力している」と話した。

 同省によると、7人は男性で発症時は30~60代。1人はすでに死亡した。少なくとも4人はオルト-トルイジンを扱っていなかったが、5人にモカの取り扱い歴が判明したという。モカと発症の因果関係は不明。