7月25日:対象外のボイラー設備工が和解 石綿国賠訴訟、東京地裁

2016年7月25日

朝日新聞20167252236
対象外のボイラー設備工が和解 石綿国賠訴訟、東京地裁http://www.asahi.com/articles/ASJ7T5J0GJ7TUTIL04F.html

 

 アスベスト(石綿)を扱って石綿肺で労災認定を受けたボイラー設備工の男性が、国に損害賠償を求めた訴訟が25日、東京地裁で和解した。弁護団によると、請求通りの1045万円を国が支払う内容という。

 

 提訴していたのは、群馬県に住む田中信義さん(74)。設備工として1957~64年に働いていた東京都内の会社で、石綿を含む断熱材などを扱った。

 

 石綿被害をめぐっては、最高裁が2014年の判決で、アスベストを含む粉じんを取り除く排気装置の設置義務づけが遅れた期間内に石綿加工工場で働いていた人に対し、国の賠償責任を認定。これを受け、国は裁判を通じて賠償金を支払っている。屋外作業をする設備工は和解の対象外だが、弁護団によると田中さんは、会社の工場で石綿製品の製造にも携わっており、和解できたという。

 

 弁護団は「和解対象外の建設労働者なども、勤務内容次第で和解できる可能性がある。多くの人に知ってほしい」としている。