厚労省、胆管がん全国調査へ

2012年6月12日

朝日新聞2012年6月12日 印刷会社員の胆管がん死厚労省が全国調査へ

厚生労働省は12日、印刷会社で働く人の胆管がんの発生状況について、全国約500事業所の調査をすると発表した。大阪府の印刷会社で、元従業員4人が胆管がんで死亡。洗浄剤の中の化学物質が原因となった可能性が指摘されている。さらに東京と宮城でも、似た事例の相談があったため調査に踏み切る。

熊谷信二・産業医科大准教授(労働環境学)らのグループの調査で、大阪府の印刷会社で1991~03年に働いた男性33人のうち、5人が胆管がんになり、4人が亡くなったことが明らかになった。遺族らは3月に労災の認定を申請した。グループは、この会社の発症率が日本人男性の平均の約600倍になると指摘。校正印刷で使う洗浄剤に含まれる化学物質「1,2ジクロロプロパン」「ジクロロメタン」が原因の可能性が高いと分析している。

その後、宮城県内では、胆管がんで亡くなった印刷業の男性の遺族から5月に、東京では元従業員男性が胆管がんを発症した印刷会社から6月に、労働局に相談があった。