3月28日 たばこのリスク精査 厚労省、専門委設置へ

2013年3月28日

朝日新聞2013年3月28日 たばこのリスク精査 厚労省、専門委設置へ

厚生労働省は27日、たばこの健廉影響を審議する専門委員会を設置することを決めた。喫煙とがんや心臓病などの病気との関係は明らかになっているが、最新の研究を積み上げて成分ごとの有害性を明らかにする。国が喫煙リスクを網羅的に評価するのは初めて。

2014年度中に報告書をまとめる。

この日開かれた審議会の部会が設置を了承した。この10年で分析法が進歩したことから、約4千種類とも言われる煙に含まれる成分の影響を詳しく評価する。化学物質や食品などで広がる「リスク評価」と呼ばれる手法を本格的に採用し、各成分について健康に何がどのようにどの程度影響するのかを明らかにする。

専門委が担うのは科学的な評価だが、報告書は禁煙指導や受動喫煙対策を進めるうえでの新たな根拠になる。結果によっては、成分に応じた規制や、05年から変わらない包装などの警告表示の文言見直しを迫られる可能性がある。

たばこ問題全体については、「たばこ白書」と呼ばれる報告書が01年にまとめられている。その後は受動喫煙など個別の検討はあったものの、最新の科学的な知見を国としてまとめ場はなかった。(佐々木英輔)