3月27日 胆管がん、労災と通知 厚労省、大阪の印刷会社16人に

2013年3月27日

朝日新聞2013年3月27日(水)12:27 胆管がん、労災と通知 厚労省、大阪の印刷会社16人に http://news.goo.ne.jp/article/asahi/life/medical/OSK201303270034.html

 大阪市中央区の印刷会社「SANYO(サンヨー)―CYP(シーワィピー)」で働いて胆管がんになった16人(うち8人死亡)に対し、厚生労働省は27日、労災と認定した。同日午前、決定通知書を遺族や患者に送った。胆管がんでの労災認定は初めて。
認定されると、国から療養費用や遺族年金が支払われる。16人はいずれも男性で、20代1人、30代7人、40代8人。国内の胆管がん死亡者は99・1%が50歳以上だが、同社では平均36歳で発症、37歳で死亡している。先月、30代男性が17人目として請求し、この男性も近く認定される見通し。
厚労省は昨年9月、胆管がん発症者の労災認定に関する専門家検討会を発足。検討会は今月14日、印刷機のインクをふき取る洗浄剤に含まれた化学物質「1、2ジクロロプロパン」「ジクロロメタン」が発症原因になりうると指摘。SANYO社の16人は1、2ジクロロプロパンを高濃度で長期間吸い込んでいたことで発症した蓋然(がいぜん)性が極めて高いと結論づけた。
同社以外にも全国の47人(32人死亡)が労災請求しており、厚労省の検討会が順次、認定の可否を検討する。2物質と胆管がんの関係はこれまで知られていなかったため、通常死後5年の労災請求権の時効は、3月15日から数え始める。