11月18日:中国のスモッグ、市民が汚染の象徴と知ったのはほんの数年前

2016年11月18日

 

サーチナ20161118 1215

 

中国のスモッグ、市民が汚染の象徴と知ったのはほんの数年前 しかも教えてくれたのは「米国」だった=中国メディア
https://news.nifty.com/article/world/china/12190-20161118_00023/

 

 

 

 本格的な冬の到来に備えて、今月に入って中国の各地で「暖気」と呼ばれる集中暖房の供給が始まった。それに合わせて、大気汚染のレベルが悪化し、大都市を中心に大規模なスモッグが発生している。本来はきれいな秋の青空が拝めるはずのこの季節、「いつからこんなになってしまったのか」と嘆く市民も少なくないはずだ。

 

 

 

 中国メディア・今日頭条は17日、「スモッグはいつから深刻化したのだろうか」とする記事を掲載した。記事は、大気汚染によるスモッグが発生し始めた時期は地域によって異なるものの、2008年の北京五輪や10年の上海万博におけるスモッグが印象的だったと説明。ゆえに、この時期より前に、すでにスモッグは深刻化していたと紹介した。

 

 

 

 また、中国国内でスモッグが重視され始めたのは13年であると説明。この年の1月には4度にわたるスモッグが国内30の省・自治区・直轄市を覆い、北京市ではスモッグが発生しなかった日が1カ月でたった5日しかなかったとした。さらに、中国の大・中500都市のうちWHOによる空気の質の基準をクリアした都市が、1%に満たなかったことなどを伝えている。

 

 

 

 記事の見解では、少なくとも2000年代前半には大規模なスモッグが発生するほど中国の大気汚染は深刻化していた、といったところだが、果たして長年中国で暮らしてきたネットユーザーたちはどう考えているだろうか。記事に寄せられたコメントでは、「数十年前からもうひどかった」、「子どもの頃にもスモッグはあった。その時はスモッグとは知らなかった。1990年代中期から末期だ」など、大気汚染はここ10年ほどで深刻化した訳ではないと意見が出ている。

 

 

 

 また、深刻なスモッグが単なる「霧」ではないことに気づいたタイミングについては、複数のユーザーが「北京の米国大使館でPM2.5の観測をするようになってからだ」と回答し、多くのユーザーが賛同している。米国大使館が観測を始めた時期は定かではないが、中国国内で議論を呼んだのは2009年以降。深刻な現実に、しかも、米国大使館の行動によって気づかされたこと、そして長きにわたってスモッグが深刻な汚染の象徴であることに気付かなかったことに対して、市民たちはさぞや大きな驚きとショックを覚えたことだろう。「米国大使館に感謝しなければ。彼らがいなければ、われわれはまだ知る由もなかった」とするユーザーもいた。(今関忠馬)