1月3日:タンク破損、有毒ガスで2人死亡 埼玉・本庄

2016年1月3日

毎日新聞2016年1月3日 20時36分1月3日 22時54分)
タンク破損、有毒ガスで2人死亡 埼玉・本庄http://mainichi.jp/articles/20160104/k00/00m/040/068000c

 

 3日午前0時55分ごろ、埼玉県本庄市仁手(にって)の金属化合物製造会社「DOWAハイテック」の工場内で、タンクのガラス窓が爆発音とともに破損した。周囲にいた男性作業員4人が病院に搬送され、うち2人が死亡した。有毒ガスを吸い込んだとみられ、県警本庄署は詳しい経緯を調べている。

 同署によると、死亡したのは、ともに派遣社員の関根真一さん(22)=同県上里町嘉美(かみ)=と根岸弘幸さん(42)=群馬県伊勢崎市境西今井。他の2人は病院で治療を受けている。

 同署や同社によると、タンクは直径約1メートル、高さ約2メートル。事故が起きたのは、ソーラーパネルの電極に使う銀粉を製造する工程で、タンクに付着した銀を硝酸で溶かし、洗浄する作業を行っていた。

 ガラス窓は外側から内部を見るためにタンクに六つ付けられており、いずれも縦横約10センチの大きさ。うち三つが作業中に突然破損したという。何らかの原因でタンク内の温度が上昇し、内部に強い圧力がかかったことからガラスが破損したとみられる。窒素酸化物を含む有毒ガスが発生した可能性が高いという。

 ホームページによると、同社の従業員数は約230人。約10万平方メートルの敷地内に工場があり、金属類の化合物製造のほか、自動車部品や電子部品などのメッキ加工を業務としている。最近はソーラーパネルなどの受注が多く、1日から作業をしていたという。【遠藤大志、森有正】