1月16日:ぼうこうがん 化学工場で 従業員ら労災認定を要請

2016年1月16日

毎日新聞2016116日 東京朝刊
ぼうこうがん 化学工場で 従業員ら労災認定を要請http://mainichi.jp/articles/20160116/ddm/012/040/025000c

  化合物の芳香族(ほうこうぞく)アミンを取り扱う作業に従事した化学工場の従業員と退職者の計5人がぼうこうがんを発症した問題で、発症した従業員と労働組合が15日、早急な労災認定などを厚生労働省に要請した。従業員は「危険性を知らされず、夏は半袖のTシャツで作業した」と証言した。

  要請したのは、北陸地方の化学メーカー工場で働き、ぼうこうがんを発症した高山健治さん(56)と田中康博さん(56)、2人が加入する化学一般労働組合連合。要請書では、早期の労災認定のほか、精神的、経済的不安の軽減や事業所で有効な防止対策が取られるまで作業停止を指導することを求めた。

  記者会見した田中さんは乾燥の工程で12年半働いたといい、「狭い乾燥機の中で(作業でできた)結晶を削り取る作業を行った。夏は半袖のTシャツを着て作業をして露出部分が多く、(体に)結晶が付着した」などと話した。2人ともがん発症の危険性については「知らされていなかった」と証言した。【東海林智】