5月5日:韓国 殺菌剤の有害物質で乳幼児など死亡 改めて波紋

2016年5月5日

NHK5月5日 12時56分
韓国 殺菌剤の有害物質で乳幼児など死亡 改めて波紋http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160505/k10010509691000.html

韓国で、かつて加湿器に使う殺菌剤に含まれていた有害物質が原因で多くの乳幼児などが死亡した問題を巡り、検察が殺菌剤の製造メーカーに対する捜査を本格化させるなど、韓国国内で改めて波紋が広がっています。

韓国では、2001年から2011年にかけて販売された加湿器用の複数の殺菌剤に有害な化学物質が含まれ、これを吸い込んだ多くの乳幼児や母親などが肺を損傷する被害を受けました。

韓国政府は2011年に殺菌剤と肺の損傷との因果関係を認定し、これまでに221人が被害を受け、そのうち95人が死亡したとしています。

この殺菌剤を製造、販売した企業の1つで、イギリスに本社がある日用品メーカー「オキシー・レキット・ベンキーザー」の韓国法人の代表が今月2日、ソウルで記者会見を開き、遺族らに補償する方針を初めて明らかにしました。

メーカーが因果関係の認定から5年たってようやく記者会見を開いたのは、去年の秋から検察が捜査に乗り出したことを受けたものだという見方が強く、被害者や遺族の怒りは収まらず、会見中に一部の遺族がメーカーの代表に激しく詰め寄る一幕もありました。

検察は、このメーカーが有害物質を使っていたことを示す証拠を隠滅した疑いがあるとして関係者から事情を聴いて捜査を本格化させるなど、韓国国内で改めて波紋が広がっています。