環境省:東日本大震災の被災地におけるアスベスト大気濃度調査(第7次モニタリング)におけるアスベスト飛散事例について(お知らせ)

2012年10月26日

■環境省は「東日本大震災の被災地におけるアスベスト大気濃度調査(第7次モニタリング)におけるアスベスト飛散事例について(お知らせ)

」を公表しました。詳しくはこちらをご覧ください。

 

平成24年10月26日

東日本大震災の被災地におけるアスベスト大気濃度調査(第7次モニタリング)におけるアスベスト飛散事例について(お知らせ)

 環境省は、平成23年6月から東日本大震災の被災地におけるアスベスト大気濃度調査を実施しており、これまでに、アスベストが飛散した事例として6件の飛散事例を公表しています。  この度、東日本大震災により倒壊した煙突のアスベスト除去工事において、集じん・排気装置の不具合と推定されるアスベストの飛散事例を確認しましたのでお知らせします。  なお、敷地境界のアスベスト濃度等は通常の一般大気濃度とほぼ変わらなかったことから、周辺環境への影響はなかったと考えられます。

1.建築物の所在地

宮城県本吉郡南三陸町

2.試料採取年月日

平成24年10月5日(金)

3.試料採取地点

アスベスト除去工事現場 (事前調査によりアモサイトの含有が確認されている。)

敷地境界(風下)2箇所
施工箇所から石綿が直接外部に飛散しないように設けられた部屋の入り口の外側(以下、「前室」という。)1箇所
集じん・排気装置の外部への排気口付近(以下、「排気口」という。)1箇所

4.試料採取、分析方法

東日本大震災におけるアスベスト大気濃度調査(実務マニュアル)~第7次モニタリング(10~11月)~による。

5.調査結果

測定箇所 位相差顕微鏡法又は 位相差/偏光顕微鏡法 電子顕微鏡法 アスベスト 繊維数濃度 [本/リットル]
総繊維数濃度[本/リットル] 繊維の種類及び繊維の割合
建屋境界[1] 0.31
建屋境界[2] 0.34
前室 0.28
排気口 22 アスベスト(アモサイト)91% その他 9% 20

※総繊維数濃度とは、長さ5µm以上、幅(直径)3µm未満で、かつ、長さと幅の比(アスペクト比)が3:1以上の繊維状物質を計数したもの。

本アスベスト除去現場では、排気口でアスベスト繊維が20[本/リットル]検出された。ただし、敷地境界のアスベスト濃度等は通常の一般大気濃度とほぼ変わらなかったことから、周辺環境への影響はなかったと考えている。  本件については、石綿以外の繊維も含む総繊維数濃度が10[本/リットル]を超過していることが判明した段階で、直ちに環境省から所管自治体に連絡し、所管自治体から事業者に対し注意喚起されている。
今回アスベストが漏洩した原因については、作業開始時には養生に問題がなかったことから、集じん・排気装置の不具合によるものと推定している。

6.今後の対応

これまでも、本件と同様の事例の発生の機会等を捉えて、石綿除去等作業における集じん・排気装置の維持管理の徹底等について、関係団体に要請するとともに、都道府県労働局及び関係自治体に通知してきたところであるが、今回の事例を踏まえ、引き続き啓発に努めることとしている。

連絡先

環境省水・大気環境局大気環境課