環境省:平成27年度 大気環境における放射性物質のモニタリング結果について

2017年3月28日

http://www.env.go.jp/press/103867.html

平成29年3月28日

大気環境

 

平成27年度 大気環境における放射性物質のモニタリング結果について

 環境省では、大気環境における放射性物質のモニタリング結果(平成27年度)を取りまとめましたので、お知らせします。全国の測定地点(309地点)の空間放射線量率は、概ね過去の調査結果の範囲内でした。

1.経緯

大気汚染防止法に基づき、環境省は放射性物質による大気汚染状況の常時監視(モニタリング)を行っています。

具体的には、環境省が離島等において実施している環境放射線等モニタリング調査、及び原子力規制委員会が各都道府県において実施している環境放射能水準調査等により行っています。

大気環境のモニタリングでは、空間放射線量率の測定並びに大気浮遊じん及び大気降下物の核種分析を行っています。このうち、空間放射線量率の測定結果については、随時、速報値としてインターネット上で公表しておりますが、今般、平成27年度の測定結果を取りまとめ公表するものです。

なお、同時期に、環境省が環境放射線等モニタリング調査において行った大気浮遊じんの全アルファ及び全ベータ放射能濃度並びに土壌及び陸水の核種分析の調査結果を含め、調査結果の詳細は、以下の環境省ホームページに掲載しています。

http://www.env.go.jp/air/rmcm/conf_cm3.html

2.測定結果の概要

(1)測定期間

平成27年4月1日から平成28年3月31日まで

(2)測定項目

ア 空間放射線量率

イ 核種分析(大気浮遊じん、大気降下物)

(3)測定地点

ア 空間放射線量率

309地点(環境放射線等モニタリング調査10地点、環境放射能水準調査等299地点)

イ 核種分析

1) 大気浮遊じん

59地点(環境放射線等モニタリング調査10地点、環境放射能水準調査49地点)

2) 大気降下物

52地点(環境放射線等モニタリング調査4地点、環境放射能水準調査48地点)

(4)評価方法

・空間放射線量率、大気浮遊じん及び大気降下物の核種分析のデータを対象として降雨等の気象データを参考に、直近の過去3年間(平成24年4月~平成27年3月)及び東京電力福島第一原子力発電所事故(以下「原発事故」という。)の前3年間(平成20年1月~平成22年12月)の調査結果と比較し評価を行いました。

・得られたデータの最大値、最小値及び平均値を求め、変動範囲を確認しました。

(5)測定結果と評価

ア 空間放射線量率

・全国の空間放射線量率の範囲は、0.006~2.119μSv/h注1(マイクロシーベルト毎時)で、今回の調査結果は、概ね過去の調査結果の範囲内でした。注2

・なお、過去の調査結果を超過した地点については、降雨等に伴う一時的な上昇であり、自然現象による空間放射線量率の上昇と考えられます。

・原発事故後に空間放射線量率が上昇した地点については、空間放射線量率が着実に減少しています。

(注1)本公表では、1Gy/h(グレイ毎時)=1Sv/h(シーベルト毎時)と換算して表示しています。

(注2)「過去の調査結果の範囲内」とは、今回の測定結果が、直近の過去3年間(平成24年4月から27年3月)及び原発事故前3年間(平成20年4月から22年12月)の調査結果と比較し、極端に外れた値ではないことを専門的評価を受けて確認したものです。

イ 核種分析

1) 大気浮遊じん

・γスペクトロメトリーによって大気浮遊じんを分析した結果、一部の調査地点では、人工放射性核種としてはセシウム134及びセシウム137が検出されました。

・大気浮遊じんを分析した結果は、過去の調査結果の範囲内でした。

2) 大気降下物

・γスペクトロメトリーによって大気降下物を分析した結果、一部の調査地点では、人工放射性核種としてはセシウム134及びセシウム137が検出されました。

・大気降下物を分析した結果は、過去の調査結果の範囲内でした。

3.今後の予定

平成29年度も引き続き、環境省が離島等において実施している環境放射線等モニタリング調査10地点及び原子力規制委員会が実施している環境放射能水準調査等299地点の合計309地点において、大気環境における放射性物質のモニタリングを行う予定です。

添付資料

連絡先
環境省水・大気環境局大気環境課
直通 03-5521-8292
代表 03-3581-3351
課長 瀧口 博明(内線6530)
課長補佐 伊藤 隆晃(内線6580)
課長補佐 三浦 祐一(内線6531)