環境省:平成26年度農用地土壌汚染防止法の施行状況について(お知らせ)
2015年12月28日
http://www.env.go.jp/press/101883.html
平成27年12月28日
平成26年度農用地土壌汚染防止法の施行状況について(お知らせ)
今般、平成26年度の同法の施行状況について取りまとめました。その概要は以下のとおりです。
(1)常時監視の結果、農用地土壌汚染対策地域の指定要件基準値以上のカドミウムが3地域で検出されました。
(2)新たに1地域が農用地土壌汚染対策地域に指定され、1地域が指定解除されました。平成26年度末までに農用地土壌汚染対策地域として指定された地域は累計で73地域、うち既に指定解除された地域は56地域、現在も農用地土壌汚染対策地域として指定されている地域は17地域(部分解除された地域を含む。)となっています。
(3)平成26年度末時点の農用地土壌汚染対策事業等完了面積は6,975 haであり、指定要件基準値を超過した、又は超過するおそれが著しい地域の面積の91.9%が農用地土壌汚染対策事業等を完了しています。
1.概要
農用地については、農用地の土壌の汚染防止等に関する法律(昭和45年法律第135号。以下「農用地土壌汚染防止法」という。)に基づき、農用地の土壌の特定有害物質による汚染によって人の健康を損なうおそれがある農畜産物が生産され、又は農作物等の生育が阻害されることを防止することを目的とした各般の対策が講じられています。
今般、平成26年度に行われた農用地土壌汚染防止法に基づく常時監視、農用地土壌汚染対策地域の指定及び農用地土壌汚染対策事業の状況について別紙※のとおり取りまとめましたので、お知らせします。
※ 別紙「平成26年度農用地土壌汚染防止法の施行状況」参照
2.常時監視について
農用地土壌汚染防止法では、都道府県知事に農用地の土壌汚染状況を常時監視(過去の調査結果から状況を把握していることを含む。)することを義務付けています。
常時監視として、以下の調査を行うことが定められており、平成26年度の調査結果は以下のとおりでした。
(1)細密調査
汚染のおそれがある地域において適宜ほ場を変えながら、汚染の広がりと程度を把握する調査。平成26年度には6地域675.00 ha、270地点で実施され、3地域10地点における玄米について、指定要件*に係る基準値(玄米中カドミウム濃度が0.4 mg/kg)を超えるカドミウムが検出され、最高値は0.95 mg/kgでした。
(2)対策地域調査
農用地土壌汚染対策地域内及びその周辺において地点を定めて、農作物や周辺環境の汚染の状況及び地質の状況を把握する調査。平成26年度には5地域で実施され、指定要件に係る基準値を超えた地域はありませんでした。
(3)解除地域調査
農用地土壌汚染対策地域の指定が解除された地域において地点を定めて、再汚染の有無を確認する調査。平成26 年度には2地域で実施され、指定要件に係る基準値を超えた地域はありませんでした。
* 政令で定める特定有害物質(カドミウム、銅及び砒素)について以下のいずれかに該当すること
・当該農用地で生産される玄米中のカドミウム濃度が0.4 mg/kgを超える地域又はそのおそれが著しい地域
・当該農用地(田に限る。)の土壌中の銅濃度が125 mg/kg以上である地域
・当該農用地(田に限る。)の土壌中の砒素濃度が15 mg/kg以上である地域
3.農用地土壌汚染対策地域の指定等について
農用地土壌汚染防止法では、人の健康を損なうおそれがある農畜産物が生産されること、又は農作物等の生育が阻害されることを防止するため、都道府県知事は指定要件に該当する地域を農用地土壌汚染対策地域として指定することができます。
また、都道府県知事は、農用地土壌汚染対策地域について、農用地土壌汚染対策計画を策定し、これに基づき対策を行うことにより、汚染の除去や防止を図っていきます。
(1)平成26年度に新たに農用地土壌汚染対策地域の指定を行った地域は以下の1地域です。
新規指定 福岡県 大牟田(昭和開北部第二)地域 ( 32.1 ha)
(2)平成26年度に新たに農用地土壌汚染対策計画の策定を行った地域はありませんでした。
(3)平成26年度に農用地土壌汚染対策地域の指定解除を行った地域は以下の1地域です。
全部解除 島根県 笹ヶ谷鉱山下流域 ( 66.1 ha)
この結果、平成26年度末までに農用地土壌汚染対策地域として指定された地域は累計で73地域(6,609ha)、うち農用地土壌汚染対策事業がすべて完了したとして農用地土壌汚染対策地域の指定が解除された地域は56地域(5,966 ha)、農用地土壌汚染対策地域として現在も指定されている地域は17地域(643 ha)(部分解除された地域を含む。)となっています。
4.農用地土壌汚染対策事業等の進捗状況について
指定要件に係る基準値以上の特定有害物質が検出された、又は検出されるおそれが著しい地域(以下「基準値以上検出等地域」という。)の累計面積は、平成26年度末時点で7,592 haとなります。また、農用地土壌汚染対策事業等が完了している地域は6,975haで、基準値以上検出等地域の面積の91.9%になります。
添付資料
- 連絡先
- 環境省水・大気環境局土壌環境課
課 長:是澤 裕二(内線6590)
課長補佐:荒川 隆嗣(内線6592)
担 当:中村 功(内線6593)