中国の公害、バングラデシュでの工場火災焼死事件などと日本の企業、消費者との関係

2013年1月21日

アジア各国の工場では、劣悪な労働環境で労働者が働かされたり、製造過程での環境汚染の問題が未解決なままです。これらの工場で作られた最終製品の少なからざる部分が日本を始めとする先進国に輸入されています。国外の問題といっても、それらを製造させたり仕入れをしている日本企業にもその社会的責任が問われますし、最終消費者である私たちに無関係な話ではありません。

 

朝日新聞2013年1月7日
有害物質の流出報告せず 中国・山西省 隠蔽と批判

中国国営の新華杜通信によると、山西省長治市の化学工場で昨年末にパイプが破裂し、染料などに使われる有害物質アニリン8・7トンが川に流れ出す事故があった。しかし、省政府が企業から通報を受けたのは事故から5日後とされ、隠蔽との批判が高まっている。

(当ブログ1月7日既報)

 

 

志のソーシャル・ビジネス・マガジン「オルタナ」2013年1月9日
バングラデシュにおける工場火災から学ぶこと――下田屋毅の欧州CSR最前線(20)

http://www.alterna.co.jp/10297

11月24日夜、バングラデシュ首都のダッカ近郊の衣料品工場で火災が発生。少なくとも112人が死亡、200人以上が重軽傷を負うという同国史上最悪という痛ましい災害が発生した。これは夜勤中の火災でその当時、従業員約2千人が働いていた。

(中略)

■ ウォルマートは契約を打ち切り

バングラデシュでは衣料品・縫製品産業が主要産業で、輸出全体の80%が繊維製品である。輸出額は中国に次いで現在世界2位。人件費は世界最低水準であるため、多くのアパレルメーカーが現地企業に生産を依頼している。

今回の火災を起こした工場の所有者は、ツバグループ傘下のタズリーン・ファッションズ社。火災当時、オランダのシー&エー社、香港のリー&ファン社をはじめ、様々なブランドの衣料品を製造していた。

米国のスーパーマーケットチェーンであるウォールマートは、当初この工場と関係性がないとしていたが、サプライヤーが無断でこの会社に下請けとして発注していたことが発覚。ウォールマートは、このサプライヤーとの契約を打ち切ったという。

ウォールマートは2011年、防火対策の専門家が、同社のサプライチェーン内のバングラデシュの工場を視察、バングラデシュの火災発生時の安全対策において、危険が非常に高い工場に対して警告し、49の工場との取引を停止していた。

2011年2月には、他ブランドや販売店と協働でサプライヤー160社の参加の下、サプライチェーンミーティングを開催、防火対策について協議。また、防火訓練用ビデオや訓練物資をバングラデシュの工場に提供し始めていた。このようにウォールマートはバングラデシュの工場の防火対策に既に疑問視し、対策に取り組んでいたという。

(後略)

(在ロンドンCSRコンサルタント・下田屋毅)

 

詳しくは下記をご覧ください。
http://www.alterna.co.jp/10297