農水省:農薬を使用することができる作物群
2015年10月23日
http://www.maff.go.jp/j/nouyaku/n_sassin/group/top.html
更新日:2015年10月23日
担当:消費・安全局 農産安全管理課 農薬対策室
農薬を使用することができる作物群
農薬は「使用できる作物」や「使用してよい方法」を決めて登録しており、「使用できる作物」以外の作物には使用できません。
この「使用できる作物」として、今までは、主に「りんご」や「なし」のような個々の作物を対象に「使用してよい方法」を決めて登録していました。今後は、個々の作物だけでなく、そのような作物を含むグループ(例えば「仁果類」)も対象として「使用してよい方法」を決め、農薬の登録ができるようにすることを検討しています。
農薬は病気や害虫による被害を防ぐことを目的として使用するため、作物によって発生する病気や害虫、形態や栽培方法などが異なると、必要となる使用方法や使用した場合の残留濃度が異なります。また、「りんご」と「なし」のような似た作物の場合、農薬によっては必要となる使用方法が同じになることがあります。農林水産省は、このように必要となる使用方法が同じ場合には、「使用できる作物」のグループ(以降は「作物群」と記載します。)で登録を行うことが可能と考えています。そのため、農薬の登録のための「作物群」を考える場合は、植物学的な分類も考慮しますが、それ以上に農薬の使用方法や残留濃度に影響するような作物の特徴を考慮します。
(農林水産省が作物を分類する際に考慮している作物の特徴の一例)
- 収穫する部位
野菜の例:「葉菜」のように地上部全体を収穫するか
「果菜」のように実の部分だけ収穫するか - 収穫物の形
果菜の例:「きゅうり」のように細長い実か
「スイカ」のように丸い実か - 農薬を散布する時点での収穫物の重さと表面積の比
果菜の例:「ししとう」のように、細長い形状で軽いため、重さに対する表面積の比が大きいか
「スイカ」のように、丸い形状で重いため、重さに対する表面積の比が小さいか
※農薬の残留濃度は、「残留した農薬の量」をその「作物の重さ」で割って計算します。農薬を散布をした場合、作物の表面に付着した農薬が残留するため、表面積が大きければ「残留した農薬の量」が多くなります。また、「作物の重さ」が軽い場合、「残留した農薬の量」が同じでも残留濃度は高くなります。 - 収穫時の状態や収穫のタイミング
果菜の例:「きゅうり」のように成長途中の未成熟の段階で毎日収穫するか
「かぼちゃ」のように成長してから短期間に集中して収穫するか - 実際に食べる部位
果実の例:「りんご」のように皮ごと食べることができるか
「みかん」のように皮をむかないと食べられないか - 病気や害虫による被害を防ぐために必要な農薬の使い方や時期
同じ使用方法での農薬の使用が必要になる可能性が高いか、低いか農林水産省では、これらのような作物の特徴を考慮した上で、国内で生産される全ての作物が、いずれかの「作物群」に含まれるような「作物群」の作成を進めています。
また、作成した「作物群」を「使用できる作物」として登録できるようにするために、どういう場合に「作物群」で登録ができるか、「作物群」で登録するためにはどういう科学的データが必要か、のような基本的な考え方を作成しています。
農林水産省は2013年に果実類などの「作物群」の案をホームページに掲載しましたが、実際にその「作物群」で登録を行う場合にどういった科学的データが必要かなどを考慮し、更に検討をしておりました。この検討は、考慮しなくてはならない情報が多く、時間がかかりましたが、今回、次の3つの案を作成しました。
- 果実類の「作物群」(案)(2013年に公表した案の更新版)(作物分類)
- 「作物群」で登録する場合の基本的な考え方(案)(代表作物の選定と作物群に対する農薬登録を行う際の原則)
- 果実類の「作物群」(案)で登録する場合に必要な科学的データ(作物への残留に関する試験)(案)(代表作物)
今後、この案を更によいものとしていくため、国民の皆様のご意見を頂きたいと考えております。近日中に公式にパブリックコメントを募りたいと考えておりますが、現時点の案の段階から多くの方にご覧いただけるよう、このページでお知らせします。
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