中国大気汚染の元凶、PM2.5より怖い“PM1”とは?
2013年2月27日
週プレNEWS2013年2月26日(火)9時0分配信
中国大気汚染の元凶、PM2.5より怖い“PM1”とは?
http://news.nifty.com/cs/domestic/societydetail/playboy-20130226-17339/1.htm
(前略)
その複合汚染による重症化について、埼玉大学大学院理工学研究科の王青躍(おう・せいよう)准教授(環境科学)が解説する。
「花粉と一緒に微小な炭素状粒子が一緒に体内に入ると、合併症のような症状が出ます。粒の小さい煤(すす)などは、簡単に呼吸器系の深部、肺胞まで入っていくので咳が出やすくなる。花粉症の鼻水だけでなく、気管支炎なども起こす。また、肺胞にまで入った炭素粒子は炎症を引き起こし、そして、粒子が付着した細胞は細胞死する危険性もある。細胞死とは、周りの細胞を守るために自分が死んでいくことですが、その量が増えれば、最悪の場合、肺がんになることもある」
PM2.5には黒い煤も含まれているが、その中にはベンゾピレンという発がん性物質そのものまで含まれている。実は、その煤はPM2.5には違いないが、粒子の大きさは2.5マイクロメートルよりもはるかに小さい0.1マイクロメートル以下。専門家の間では「PM1」と呼ばれているとか。
大分県立看護科学大学の市瀬孝道教授(環境毒性学)によると、PM1は「体内に吸入すると、血管などを壊して血流を変化させ、心筋梗塞などを起こす原因になるといわれています。実際に、大気汚染が激しいところでは、心血管疾患で死ぬ人が多い」という。
しかも、PM1はあまりの小ささから、マスクをしていても簡単に呼吸器系の深部にまで入り込んでしまう。それが発がん性物質まで含んでいるのだから怖い。
また、たとえ、がんにならなかったとしても、こうした汚染物質を吸い続けると、体は確実にダメージを受ける。
「閉塞性肺疾患といって、呼吸が苦しくなります。さらに、肺にぼこぼこ穴が開く肺気腫や、慢性気管支炎といったことが起こると考えられます。そうなると、呼吸が苦しくなり、絶えず酸素ボンベをつけていなければいけない状態になりますね。寝たきりになってしまう人もいます。実際、中国ではそういう患者さんが多いそうです」(市瀬氏)
(後略)