環境省:平成27年度PRTRデータの概要等について -化学物質の排出量・移動量の集計結果等-
2017年3月3日
http://www.env.go.jp/press/103698.html
平成29年3月3日
平成27年度PRTRデータの概要等について -化学物質の排出量・移動量の集計結果等-
排出量・移動量等の集計結果は、事業者から届け出られた個別事業所ごとの届出排出量・移動量とともに、環境省のウェブサイト上で公表します。
(※)化学物質排出移動量届出(PRTR:Pollutant Release and Transfer Register)制度
1.経緯
平成11年7月に公布された化管法に基づき、PRTR制度が導入されました。
PRTR制度の導入により、相当広範な地域の環境において継続して存すると認められ、人の健康を損なうおそれ又は動植物の生息若しくは生育に支障を及ぼすおそれのある462種類の化学物質(第一種指定化学物質)について、事業者は環境への排出量や廃棄物に含まれての移動量の届出を行い、国はその集計結果及び推計を行った届出対象外の排出量の集計結果を公表することとなっています。
平成27年度の届出排出量・移動量については、平成28年4月1日から6月30日までの間に、全国35,274の事業所から届出が行われました。
今般、環境省は、経済産業省と共同で、化学物質の届出排出量・移動量(PRTRデータ)を集計するとともに、届出対象外の排出量の推計及び集計を行い、その結果を集計表として取りまとめました。なお、平成20年11月の化学物質排出把握管理促進法施行令の改正により、平成22年度の届出から、対象物質の見直し(354物質に代えて462物質を指定)及び医療業の対象業種への追加がなされています。
また、集計結果とあわせて、個別事業所の平成27年度PRTRデータについてもウェブサイト上で公表します。
2.平成27年度PRTRデータのポイント
(1)届出排出量・移動量
今般、平成27年度の1年間に届出対象事業者が把握し、平成28年4月1日から6月30日までに届出を行った排出量・移動量を集計しました。平成27年度は、前年度に比べ、届出排出量・移動量ともに減少しました。
また、平成22年度から届出対象物質が354物質から462物質に見直されており、見直しの前後で継続して届出対象物質として指定された物質(以下「継続物質」といいます。276物質)についても、届出排出量・移動量ともに減少しました。
- 全対象化学物質(462物質のうち届出があった436物質)
平成27年度 | 平成26年度 | 前年度との比較(△:減少) | |
届出事業所数(事業所) | 35,274 | 35,573 | △0.8% |
届出排出量(千トン) | 154 | 158 | △2.7% |
届出移動量(千トン) | 224 | 224 | △0.4% |
総届出排出量・移動量(千トン) | 378 | 383 | △1.3% |
- 継続物質(276物質のうち届出があった264物質)
平成27年度 | 平成26年度 | 前年度との比較(△:減少) | |
届出排出量(千トン) | 139 | 143 | △2.8% |
届出移動量(千トン) | 202 | 203 | △0.4% |
総届出排出量・移動量(千トン) | 341 | 345 | △1.7% |
(2)届出外排出量
届出対象以外の事業所や、家庭、自動車等からの排出量について、国が推計を行った結果、以下のとおりでした。
平成27年度 | 平成26年度 | 前年度との比較(△:減少) | |
推計対象とした物質(324物質)(単位:千トン) | 229 | 240 | △4.4% |
継続物質のうち推計対象とした 物質(213物質)(単位:千トン) |
209 | 218 | △4.1% |
(3)前年度と比較した傾向
・ 届出事業者数:46業種のうち約6割の業種で減少し、総届出事業者数の減少への寄与が最も大きいのは燃料小売業(前年比△90事業所)でした。
・ 届出排出量:増減傾向は業種により異なりますが、届出排出量が減少した主な業種はプラスチック製品製造業(前年比△1.5千トン)、化学工業(同△0.80千トン)、非鉄金属製造業(同△0.54千トン)でした。一方、届出排出量が増加した主な業種は輸送用機械器具製造業(前年比+0.69千トン)、食料品製造業(同0.10千トン)でした。
・ 届出移動量:増減傾向は業種により異なりますが、届出移動量が減少した主な業種は非鉄金属製造業(前年比△4.6千トン)、電気機械器具製造業(同△2.0千トン)、窯業・土石製品製造業(同△1.8千トン)でした。一方、届出移動量が増加した主な業種は鉄鋼業(前年比+5.0千トン)、石油製品・石炭製品製造業(同4.5千トン)でした。
3.公表資料
(1)集計表
「第一種指定化学物質の排出量等の届出事項の集計の方法等を定める省令」(経済産業省・環境省令)に基づき集計した、化学物質別、都道府県別、業種別、従業員数別などの集計表
(2)平成27年度PRTRデータの概要
事業者からの届出状況、業種別・都道府県別の届出排出量・移動量の集計結果、届出外排出量の推計結果などの概要を取りまとめたもの(別添1参照)
(3)届出排出量・移動量の経年変化の概要について
平成27年度PRTRデータの集計結果と前年度までの集計結果を対比したもの(別添2参照)
(4)平成27年度PRTR届出外排出量の推計方法等の概要及び詳細
届出外排出量の推計方法、推計の基礎としたデータを取りまとめたもの
(5)個別事業所のPRTRデータ
届出のあった全国・全事業所の化学物質の排出量・移動量
以上の(1)~(5)につきましては、本日3月3日から以下のウェブサイトに掲載します。
環境省 http://www.env.go.jp/chemi/prtr/risk0.html
経済産業省 http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/law/index.html
4.その他
環境省では、集計結果から作成したグラフ・地図など、膨大なPRTRデータを分かりやすく加工した資料を前述のウェブサイトに掲載しています。
また、PRTR制度を広く一般の方にも御理解・御活用いただけるよう、PRTRデータについて分かりやすく解説した「PRTRデータを読み解くための市民ガイドブック -化学物質による環境リスクを減らすために-」を毎年作成しています。今回公表した平成27年度集計結果の解説を追加するなど内容を新たにしたガイドブックについては、平成29年10月を目途に公表する予定です。なお、現在は上記ウェブサイトにて平成26年度集計結果を掲載したガイドブックを公開しています。
添付資料
- 連絡先
- 環境省総合環境政策局環境保健部環境安全課
代表 03-3581-3351
直通 03-5521-8259
課長 立川 裕隆 (内6350)
課長補佐 髙橋 一彰 (内6353)
担当 北井上礼樹 (内6360)
馬込 明音 (内6390)