ペットボトルのふたでワクチン、寄付遅滞で再生業界が協力中止
2015年4月24日
朝日2015年4月24日
キャップ収集寄付遅滞 プラ再生業界がNPO協力中止
横浜市のNPO法人「エコキャップ推進協会」(エコ推)がペットボトルのふたの売却益をワクチン代に寄付していない問題を受け、主な協力団体の「全日木プラスチックリサイクル工業会」は23日、東京都墨田区の本部で関係者会議を閑き、エコ推には充却益を渡さない方針を決めた。
工業会では、全国の会員企業の有志約20社が「世界の子どもたちにワクチンを贈る活動」に協力する業務契約をエコ推と締結。学校などで集めたふたを受け取ってリサイクルし、ふた1キロ当たり20円をエコ推に支払ってきた。今後は、会員企業ごとの判断で、別のNPO法人を通じて「世界の子どもにワクチンを日本委員会(JCV)」(東京都港区)に寄付するか、直接JCVに寄付をする。大塚一郎会長は「キャップを集めている方々は、エコ推に渡すことを許さないだろう。今後はしっかりワクチンになるところに贈りたい」と話す。
工業会は、エコ推が2013年9月以降、JCVに1円も寄付していないことを契約違反と判断した。昨年11月以降、ワクチン代への寄付再開と状況説明を何度も求めたが、「誠意ある回答」がなかったという。
工業会は08年からエコ推に協力してきた。工業会ホームページによると、有志企業は13年5月からの1年間で、ふた約2293トン(エコ推への支払額で4586万円相当)を回収したという。