3月5日 「ミツバチ大量死はネオニコ系農薬と強い相関」、金沢大学の教授らが論文発表

2013年3月5日

オルタナ2013年3月5日(火)10:59 「ミツバチ大量死はネオニコ系農薬と強い相関」、金沢大学の教授らが論文発表 http://www.alterna.co.jp/10402より抜粋

ミツバチの大量死が日本を含めて世界中で報告されるなか、金沢大学理工研究域自然システム学系の山田敏郎教授らの研究チームが「ネオニコチノイド(ネオニコ)系農薬がミツバチ大量死と強い相関関係がある」との論文をこのほど発表した。ネオニコ系農薬はフランスなどで2006年から使用禁止になっているが、日本でもその使用の是非が問われることになりそうだ。

研究チームは2010年から、ミツバチに及ぼす影響を調査するため、ネオニコ系農薬の長期投与実験を行い、成蜂や蜂児数の変化および農薬摂取量を追跡した。その結果、蜂崩壊症候群(CCD)の状態を経て消滅に至ることを初めて明らかにした。

金沢大学理工研究域自然システム学系の山田敏郎教授、山田和子氏、和田直樹助教は、農薬が蜂群に及ぼす影響とCCDとの関連を明らかにするため長期間の野外実験を行った。山田教授は実験の結論として、論文では次のようにまとめた。

「ジノテフランやクロチアニジン投与後、蜂群はすぐに縮小してついにはCCDの様相を呈した後、絶滅した。すなわち、女王蜂は成蜂がほとんどいなくなるまで存在し、蜂児や食料は女王蜂がいなくなった時点でも蜂群中に存在していた。こうした現象によってCCDがミステリアスと言われているが、それは蜂群が絶滅するまでの一場面に過ぎないということを意味している」

山田教授は、「ネオニコは、毒性が強く分解しにくく、『農薬』というより『農毒』に近い。このまま使い続け、ミツバチがいなくなれば農業だけでなく生態系に大きな影響を与える。ネオニコの危険性を多くの人に知ってもらいたい」と語る。今後は、毒性の強い有機リン系の農薬と比較した研究を行う予定だ。(オルタナ編集部=吉田広子)

詳しくはhttp://www.alterna.co.jp/10402をご覧ください。