環境省:東日本大震災の被災地におけるアスベスト大気濃度調査(第6次モニタリング)におけるアスベスト飛散事例について(お知らせ)

2012年7月24日

■環境省は「東日本大震災の被災地におけるアスベスト大気濃度調査(第6次モニタリング)におけるアスベスト飛散事例について(お知らせ)」を公表しました。詳しくはこちらをご覧ください。

 

平成24年7月24日

東日本大震災の被災地におけるアスベスト大気濃度調査(第6次モニタリング)におけるアスベスト飛散事例について(お知らせ)

 環境省は、平成23年6月から東日本大震災の被災地におけるアスベスト大気濃度調査を実施しており、これまでに、建築物におけるアスベスト除去工事における集じん・排気装置の不具合によると思われるアスベストの飛散事例等を4件公表しています。  この度、煙突内部に敷設された断熱材の除去工事において、集じん・排気装置の吸引能力不足あるいは集じん・排気装置の不具合が原因と推定されるアスベストの飛散事例が2件確認されましたので、お知らせします。  なお、敷地境界における石綿以外の繊維も含む総繊維数濃度は通常の一般大気濃度とほぼ変わらず、周辺環境への影響はなかったと考えられます。

【事例1】

1.建築物の所在地

宮城県仙台市

2.試料採取年月日

平成24年6月29日(金)

3.試料採取地点

敷地境界(風下)2箇所
石綿が直接外部に飛散しないように設けられた室の入り口の外側(以下、「前室」という。)2箇所
集じん・排気装置の外部への排気口付近(以下、「排気口」という。)1箇所

4.試料採取、分析方法

東日本大震災におけるアスベスト大気濃度調査(実務マニュアル)~第6次モニタリング(平成24年7月~8月)~による。

5.調査結果

測定箇所 位相差顕微鏡法 又は 位相差/ 偏光顕微鏡法 電子顕微鏡法 アスベスト 繊維数濃度 [本/L]
総繊維数濃度 [本/L] 繊維の種類及び繊維の割合
建屋境界(1) 0.17
建屋境界(2) 0.11
前室(上部) 300
アスベスト(アモサイト)
98%
その他
2%
290
前室(下部) 34
アスベスト(アモサイト)
91%
その他
9%
31
排気口 0.45

※総繊維数濃度とは、長さ5µm以上、幅(直径)3µm未満で、かつ、長さと幅の比(アスペクト比)が3:1以上の繊維状物質を計数したもの。

本アスベスト除去現場では、煙突上部に設置された前室で290[本/L]、煙突下部に設置された前室で31[本/L]のアスベスト繊維を検出している。ただし、敷地境界における石綿以外の繊維も含む総繊維数濃度は通常の一般大気濃度とほぼ変わらなかったことから、周辺環境への影響はなかったものと考えられる。  今回アスベストが漏洩した原因については、一時的に作業場内の負圧が保てなかった時間帯が確認されていることから、その際に、前室からアスベストが漏れたのではないかと推定している。 本件については、総繊維数濃度が10[本/L]を超過していることが判明した段階で、直ちに環境省から所管自治体に連絡し、所管自治体から事業者に対し注意喚起されている。  事業者は、所管自治体からの注意喚起を踏まえ、原因の推定及び対応を実施した。

【事例2】

1.建築物の所在地

宮城県気仙沼市

2.試料採取年月日

平成24年7月3日(火)

3.試料採取地点

敷地境界(風下)2箇所
前室 2箇所
排気口 2箇所

4.試料採取、分析方法

事例I 4.と同じ。

5.調査結果

測定箇所 位相差顕微鏡法 又は 位相差/ 偏光顕微鏡法 電子顕微鏡法 アスベスト 繊維数濃度 [本/L]
総繊維数濃度 [本/L] 繊維の種類及び繊維の割合
建屋境界(1) 0.056
建屋境界(2) 0.22
前室(上部) 0.22
前室(下部) 0.34
排気口(上部) 0.17
排気口(下部) 23
アスベスト(アモサイト)
95%
その他
5%
22

※総繊維数濃度とは、長さ5µm以上、幅(直径)3µm未満で、かつ、長さと幅の比(アスペクト比)が3:1以上の繊維状物質を計数したもの。

本アスベスト除去現場では、煙突下部に設置された排気口で22[本/L]のアスベスト繊維を検出している。ただし、敷地境界の石綿以外の繊維も含む総繊維数濃度は通常の一般大気濃度とほぼ変わらなかったことから、周辺環境への影響はなかったものと考えられる。  今回アスベストが漏洩した原因については、注意喚起に併せて現場の確認を行った際には養生などに問題となる点がなかったことも踏まえ、集じん・排気装置のフィルターの設置などの不具合によるものと推定している。  本件については、総繊維数濃度が10[本/L]を超過していることが判明した段階で、直ちに環境省から所管自治体に連絡し、所管自治体から事業者に対し注意喚起されている。  事業者は、所管自治体からの注意喚起を踏まえ、原因の推定及び対応を実施した。

【今後の対応】

これまでも、石綿除去等作業における石綿の飛散防止対策の推進について、関係自治体等に周知してきたところであるが、本事例を踏まえ、本日、石綿を使用している煙突の解体等工事における石綿の飛散防止の徹底について通知したところである。  さらに、これまで、確認された石綿の飛散事例等を踏まえ、本年4月20日付けで「石綿の飛散防止対策の更なる強化について」中央環境審議会に諮問し、石綿飛散防止専門委員会で制度改正について検討している。  なお、厚生労働省と合同で開催している「東日本大震災アスベスト対策合同会議」において、本年9月頃、被災地の現状把握のため、宮城県石巻市において現地視察を行う予定である。