マツダ工場で爆発広島の本社社員3人やけど

2012年10月20日

朝日新聞2012年10月20日 マツダ工場で爆発広島の本社社員3人やけど

20日午前1時50分ごろ、広島市南区宇品東4丁目の自動車メーカー「マツダ」の本社工揚で爆発が起き、作業中の男性社員3人が熱風などで軽いやけどを負った。県警は、原材料の溶けた高熱の鉄が容器からこぼれ、水と接触して水蒸気爆発を起こしたとみて、業務上過失傷害の疑いで調べている。

広島南署などによると、現揚はエンジン部名をつくる「宇品中地区鋳造C棟」。溶鉱炉で溶けた約3トンの鉄をバケツ状の容器(直径約1メートル、高さ約1・5メートルに移し、台車で運ぼうとした際に容器が横転。鉄が流れ出たという。溶鉱炉の周りに冷却用水の管が設置されており、爆発後に管が破損しているのが確認された。容器が倒れた際に管を壊し、高熱の鉄が冷却水に触れた可能性があると県警はみている。

やけどを負ったのは25歳と32歳、38歳の社員で、1人は鉄の運搬作業を担い、あとの2人はその近くにいたという。棟内には当時、作業員が約50人いたが、3人のほかは無事だった。

現場はJR広島駅の約4キ口南の臨海部。本社工場は広島県府中町から同区にまたがる海沿いの約220ヘクタールで、デミオやロードスターを製造している。マツダは事故対策本部を設置して原因の調査を始めた。生産面では「大きな影響はない見込み」としている。約300メートル北にあるコンビニ店の男性店員は「ボーンという音がして窓ガラスが揺れた」と話した。