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化審法見直し合同委員会報告書(案)に対するパブリックコメント

 

                     化学物質政策基本法を求めるネットワーク

 

(該当箇所)

 24ページ最後のパラグラフ「化審法以外の化学物質関連法制全体をカバーして、相互連携を目指した総合化学物質管理法制についての意見もあり、今後の検討課題として認識すべきである。」

(
意見内容)

 総合的化学物質管理法制について、今後の検討課題として認識するにとどめず、今回の部分的な化管法見直しにとどめず、化学物質政策基本法の制定をめざして、早急に検討に入るべきであると結論つけること。

(
理由)
 
日本における化学物質管理政策の最大の欠陥は、司令塔なき省庁縦割りの法規制にある。例えば、ここ3年来問題になっているアスベスト被害に関しても、1975年に労働安全衛生法で吹き付け作業を禁止しただけで、アスベストの「管理使用」を認めてきたという総合的戦略の欠如が、被害の拡大や救済の遅れにつながったといえる。
 
私たち市民団体は、この間、200411月に「化学物質汚染のない地球を求める東京宣言」をまとめ、賛同団体署名を行ってきた。200612月には、「化学物質管理に関する市民からの提案」をまとめ、よりよい化学物質管理政策への転換を提言した。
 この間、国際的には2002年に「2020年までに化学物質による人の健康と環境に対する悪影響を最小にする」といういわゆるWSSD2020年目標が定められ、それに間に合うように、EUでは新化学物質管理政策REACHが施行されている。アメリカでもTSCA(有害物質規制法)の大幅改正が目論まれており、国際的にも化学物質管理に関する転換点に来ている。
 2006年末から日本政府は順次、化管法(化学物質排出把握管理促進法)、化審法と化学物質政策の見直しを行っているが、小手先の修正という感がある。今こそ、2020年目標を達成するために、一元的・総合的な化学物質管理を実現する必要があると考える。
 見直し合同会合の一部委員からの少数意見とせずに、今後、早急に検討すべき課題だと結論付けるべきである。              

                          以上
 

                              2008.11.30

化審法見直し合同委員会報告書(案)