PRTRデータを調べてみよう
■毎日新聞11月13日 11月13日午後3時25分ごろ、山口県周南市開成町の大手総合化学メーカー「東ソー」の南陽事業所で「爆発音があった」と119番があった。同市消防本部などによると、工場関係者1人と連絡が取れないという。爆発は2回あったとみられ、同午後5時半現在も工場のタンク付近が炎上し、黒煙が上がっている。 また東ソーは「塩化水素ガスが出ている」として、同県警周南署などを通じて、周南市と東側の下松市の全域で住民に外出を控え、窓を閉めるよう呼びかけている。同署によると、消火作業中の消防団員1人が目を負傷したという。 同社南陽事業所によると、「第2塩ビモノマープラント」で最初の爆発があり、2〜3分後に2回目の爆発があったという。工場は、塩化ビニールのシートや配管を作るための原料である「塩化ビニールモノマー」を24時間体制で生産している。 周南署によると、現場から約5キロ離れた同署でも「ドーン」という爆発音が2回聞こえた。同署からも黒煙が上がっているのが見えるという。同市消防本部は、化学消防車など約10台を出して消火活動をしている。 現場は、JR新南陽駅から南西約1.5キロの工場地帯。同県の岩国地区消防組合によると、現場から東に約60キロ離れた岩国市玖珂地区でも爆発音が聞こえたという。 07年12月には、付近にある同社の関連会社「東ソー・ファインケム」の工場で、トリエチルアルミニウム製造プラントが爆発・出火し、4人が負傷する事故があった。【吉川雄策】 PRTR工場データを検索してみよう PRTRデータ検索 ・工場(事業所)、会社(企業)、化学物質名で検索できます。 ・会社名のところで、会社名[東ソー]、市区町村[周南市]を入力して検索してみます。 ・この場合は、東ソー・エスジーエム、東ソー・ファインケムという子会社名しかでてきませんでした。(原因不明) ・こういう場合は、検索を変えてみます。工場名[南陽事業所]で検索すると、東ソー株式会社南陽事業所がてできました。 従業員数1306人、届出物質数46となっています。 「届出物質数」をクリックすると、具体的な数字の表がでてきます。化学工場なので、日常多種の物質が排出されていることがわかります。 経過 ■毎日11月23日 http://mainichi.jp/area/yamaguchi/news/20111123ddlk35040427000c.html 東ソー工場爆発:流出の二塩化エタン、徳山湾で基準超−−県が調査/山口 周南市の大手総合化学メーカー「東ソー」南陽事業所の爆発事故による有害物質の二塩化エタン流出問題で、県は22日、同事業所の周辺海域から、環境基本法の環境基準を上回る二塩化エタンを検出したと発表した。ただちに健康への影響はないという。 県環境政策課によると、21日に徳山湾の4カ所で海水を採取したところ、同基準(1リットルあたり0・004ミリグラム以下)を4カ所とも上回った。同事業所の排水口に一番近い200メートルの海域で0・011ミリグラム、もっとも遠い3・5キロの海域でも0・01ミリグラムを検出した。 21日には排水口でも測定したが、水質汚濁防止法の基準(1リットルあたり0・04ミリグラム以下)を下回る0・009ミリグラムだった。 同課は「21日までに水質汚濁防止法の基準を上回る量を排水した可能性が高い。新たに同法の基準を上回る排水が出る可能性は低いが、状況を見守りたい」とし、徳山湾での測定地点を9カ所増やして対応する。また火災で塩ビモノマーが大量に燃えたため、ダイオキシン類についても調査を進めている。 二塩化エタンの環境基準は、基準の濃度を70年間飲んで100万人に1人に発がんの恐れがあるレベルとされる。【吉川雄策】 ■毎日11月18日 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20111119k0000m040038000c.html 東ソー工場爆発:発がん性ある二塩化エタンが徳山湾に流出 山口県周南市の大手総合化学メーカー「東ソー」南陽事業所で13日に起きた爆発事故で、同事業所は18日、発がん性のある有害物質「二塩化エタン」が徳山湾に流れ出したと発表した。水質汚濁防止法などの規制値の最大155倍に達していたが、17日夜、排水を止める処置をして、現在は規制値に近づいている。同社は流出量から健康被害はないとみており、魚への被害通報もないという。 同社によると、事故のあった13日深夜には規制値(1リットル中0.04ミリグラム)の155倍を西側の排水口から検出した。二塩化エタンは、爆発のあった塩ビモノマーの精製工程で原料として使用。爆発により、タンクから液体として漏れ出したほか、プラントを冷やす散水により、蒸気となったものが流れ出たとみられる。 同社は17日午後8時、流出を防ぐため散水を停止し、18日朝に排水溝に土のうを積んで水の流れを遮断。今後、吸着除去も予定している。 同社は14日午後に事態を把握したが、丸一日続いた消火活動などで社内連絡が滞った。対策を始めたのは、担当部長に伝わった17日午後6時ごろ以降と後手に回った。【丹下友紀子】 ■ 山口新聞11月17日 http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201111180017.html 爆発事故、グリーンピースが警告 周南市の東ソー南陽事業所の第2塩ビモノマープラントが爆発、炎上した事故を受け、国際環境保護団体グリーンピース(本部オランダ)が東ソーや山口県などに対し、早急な情報開示と調査を行う必要があると警告する声明を出していたことが17日、分かった。 声明によると、今回の事故は、塩ビモノマーが爆発した可能性が大きいと指摘。その際にダイオキシンなど有害性の高い化学物質が発生し、大気中に放出された懸念があるとして、東ソーと県などに早急な情報開示と調査を行う必要があると警告している。 グリーンピース・ジャパン(東京)によると、塩ビモノマーにはそれ自体に発がん性が確認されており、燃焼の過程ではダイオキシン類が発生する。東ソーの発表では塩化水素ガスが大気中に漏れたことには触れられているが、塩ビモノマー自体が燃えたことは明らかで、住民の安全を守るべき立場の県や周南市は早急に調査を進める一方で、事業者である東ソーに速やかに情報開示させる必要があるとしている。 グリーンピース・ジャパンの佐藤潤一事務局長(34)は「塩ビモノマーが燃えたとすればダイオキシンは発生しているはずだ。爆発事故の消火作業で流された水とともに有害物質が海に流れ込んだ可能性もある。住民の健康への短期長期の調査が必要だ」としている。 東ソーは事故当日の13日、有毒な塩化水素が漏れたとして付近の住民に一時窓を閉め屋内に待機するよう要請した。その後は人体に影響を与えるような漏出はないとしている。 一方、周南市は17日時点で、住民の健康被害や農産物被害などを調べる予定は当面ないとしている ■毎日11月15日 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20111116k0000m040055000c.html 東ソー工場爆発:有毒ガス情報伝達に遅れ 周南市長に謝罪
山口県周南市開成町の大手総合化学メーカー「東ソー」南陽事業所で13日に発生した爆発事故で、事故に伴い有毒ガスが漏出していたことについて、東ソーが周南市に連絡していなかったことが分かった。市が独自に情報を入手し、住民に注意を呼びかけたのは事故発生から4時間半が経過した後だった。同社の宇田川憲一社長は15日、同市の木村健一郎市長を訪ね、謝罪した。
東ソーによると、事故発生から約2時間半後の13日午後6時ごろ、記者会見を開き、有毒な塩化水素ガスが漏れ出した恐れがあるため、同市と下松市の全域に家の窓を閉め外出を控えるよう要請すると発表した。 しかし、両市にはガスの発生や退避要請について連絡せず、周南市の場合は同午後6時前に事業所に出向いた職員が会見資料で状況を把握。市が広報車で市民に注意を呼びかけたのは午後8時過ぎ、防災メールで登録市民に情報を発信したのは発生から約6時間たった午後9時20分になった。下松市には午後8時過ぎに同社からファクスで連絡があったという。 宇田川社長は木村市長に「連絡が遅くなってしまったことを反省している」と頭を下げた。同社と市の間では、事故時に通報するような協定などがなく、木村市長は「事故発生時の役割分担と体制を改めて見直したい」と述べた。 事故当時、同社には「目がチカチカする」など市民からの訴えが4件あった。 また、市長への謝罪に先立って同事業所で会見した宇田川社長は「近隣住民などにご迷惑とご心配をおかけし申し訳ない」と謝罪した。約7割が焼失した第2塩ビモノマープラント(約2万5000平方メートル)について「100億円単位」をかけて再建する意向を示した。【遠藤雅彦、丹下友紀子】 ■朝日新聞11月14日 山口県周南市の東ソー南陽事業所の工場で13日に発生した火災で、東ソーは14日午前7時、周南市と下松市の屋内待機の必要はなくなった、と発表した。午前5時に事業所内の9カ所と、周南、下松両市の10カ所で塩化水素ガスの濃度を調べたところ、検知されなかったという。 東ソーは13日、爆発時に塩化水素が放出された可能性があるとして、周南、下松両市全域の世帯に窓を閉めて屋外に出ないよう要請していた。火災は14日午前7時現在、鎮圧状態になっている。 |